植田正治写真美術館

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アイキャッチ画像は、大山の麓に鎮守さながらに佇む植田正治写真美術館(設計:高松伸)。雪が降り積もる中、個人美術館に、これほど広大な空間を与えるのは贅沢すぎ! と思いましたが、内部には清潔な天衣無縫がいっぱい詰まっていて直ぐに納得させられました。特に、外界との協調関係で成り立っている空間構成にも魅了されます。喫茶コーナーもお洒落で気に入りましたが、3階の石庭に至るドアを開けた瞬間に目に飛び込んでくる情景は、きっと記憶に残るでしょう。

館内で最初に案内される「逆さ大山」を映し出す映像展示室に使われているレンズは、ベス単と同じ機構のレンズを発売していた事のある株式会社 清原光学が製作したそうです。「ベス単写真帖・白い風」(1981)を発表した頃に植田さんと一緒に山陰を歩かれた方に教えていただきました。

館主・植田正治さんは、残念ながら故人となられましたが、優秀な学芸員に恵まれているようで、いつまでも素敵であり続けてくれるに違いない。それにしても、こうした施設が完成するまでには、さまざまな紆余曲折があったことでしょう。この仕事に関わられた全ての人々に感謝を捧げたいと思いました。

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企画展:植田正治・白と黒の形態
会 期:2022年3月1日(火)~6月5日(日)
    9:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
    火曜日は休館(祝日の場合は、翌日)
入館料:1,000円(一般)
会 場:植田正治写真美術館
    鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
    0859-39-8000

植田正治が写真をはじめた1930年代は、言うまでもなくモノクロ写真の時代でした。戦後、日本でもカラー写真の技術が普及し、写真の表現の幅、情報の質や量が飛躍的に拡大していきました。しかしながら、多くの写真家がその後も、モノクロの写真表現にこだわり、制作を続けてきました。植田正治もそうした写真家の一人です。

写真家がモノクロ、白と黒の世界に惹かれる理由は、様々だと思います。ただひとつ言えることは、モノクロ写真には、カラー写真とは異なり、暗室作業、つまり一枚のプリントを生み出す職人的な技術と経験が必要とされたということです。そして、その確かなテクニックが、作家独自のこだわりや創意工夫を生み、表現の幅を無限に拡げたのです。植田が遺した多くのプリントの数々がそのことを雄弁に物語っています。

1950年代から徐々に、写真雑誌にも、写真家のカラー作品が掲載されはじめました。植田もカラーでの作品を発表していますが、その後もモノクロ作品にこだわりました。1957年、写真雑誌に「白と黒の形態」という連載名で発表された作品があります。自分自身の写真スタイルを模索していた時期でもあり、植田自身、写真表現の原点に立ち帰る試みだったのかもしれません。

今回の展覧会では、1950年代の作品を中心に、戦前の作品、シリーズ〈童暦〉、〈小さい伝記〉、〈風景の光景〉など、代表的な作品群の中から、白と黒、光と影、明と暗を強く意識した作品の数々を紹介します。デジタルでのイメージが身近にあふれている現在、あらためてモノクロ写真のシンプルでありながら、奥深い魅力を実感していただけることでしょう。

出雲大社・拝殿

八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を

大国主神から国を譲られた(奪った)天照大神が、お礼に(祟りを畏れて)、稲佐の浜に天日隅宮(あめのひすみのみや)を建て、第二子である天穂日命(あめのほひのかみ)に仕えさせた(幽閉させた)処とされる出雲大社。その傍らに因幡の白兎、八岐大蛇という出雲の壮大な世界を古代・近代史として読み解く重要な鍵となりそうな宇豆柱(1248年に造営された古代出雲大社の本殿を支えていた棟持柱)、358本の銅剣(荒神谷遺跡・国宝)、39個の銅鐸(加茂岩倉遺跡・重文)などが収蔵展示されている島根県立古代出雲歴史博物館がある。

古代出雲大社高層神殿(ストリートミュージアム)  古代・出雲大社本殿の復元(大林組)

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企画展:出雲と都を結ぶ道
    古代山陰道
会 期:2022年3月18日(金)~5月15日(日)
    9:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
    火曜日は休館(祝日の場合は、翌日)
入館料:700円(一般)
会 場:島根県立古代出雲歴史博物館 特別展示室
    島根県出雲市大社町杵築東99-4
    0853-53-8600

古代において道路は社会や国家を維持するうえで重要な施設でした。特に古代の高速道路といわれる「駅路」は、一大国家プロジェクトとして整備され、都と地方を結んで、多くの人や物、情報や文化などが往来し律令国家を支えました。 

近年、山陰両県では駅路を含む道路遺構の発見が相次いでおり、古代交通の解明が進みつつあります。本展覧会では、山陰の駅路やその他の交通関係の文化財を取り上げて、古代の交通網が果たした役割を紹介します。

宇豆柱と復元された古代出雲大社

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