古い漁具

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アイキャッチ画像は、地元の漁師から譲って貰った土師器の風合いを持つ素焼きの漁具・はぜ壺。胴部分の曲面の脹らみや穴の形状に民芸的な趣もあり数点コレクションしています。先日、倉敷民藝館に19世紀・江戸時代のハゼ壺が展示されている事を知り記事にしてみました(笑)。

はぜ壺@倉敷民藝館

はぜ壺は、海岸の浅瀬に「壺はえ縄漁法」の要領で仕掛けておき、潮の頃合いを見計らって引き上げる。その際、船の上に大きなタマ網を置いておいて、その上から壺の中に入っている獲物を海水と共に排出して捕獲するのですが、時にはイイダコやメバルなどが入っていて漁師を喜ばせたという。横に開いている丸い穴は、海面より引き上げる時に海水が抜けて中の魚を逃げさせない工夫。マハゼがつがいで入る習性に着目し上部に2つ開けた穴も、結果的に、一方の穴から空気が入る排水性、ロープの結び易さ、海底での座りに配慮した形状となって完成している。

1970年代までは瀬戸内海で盛んに使われていたようですが、河口域の乱開発によりマハゼの姿が急速に消えてしまい、この漁法も廃れ、これらの壺は遺棄されてしまった。

倉敷民藝館

NEWS! ご案内をいただきました 🤣

企画展:幾何学文様
    くりかえしの美
会 期:2022年6月3日(金)~2023年5月28日(日)
    9:00〜17:00
入館料:1,300円(一般)
会 場:倉敷民藝館
    倉敷市中央1-4-11
    086-422-1637

幾何学文様とは、点・線・面などで構成される文様で、平行移動、反転、回転、拡大・縮小といった操作を加えながら連続して組み合わせ、配列・配色の展開および繰り返しにより、無限の文様展開が可能であるという特徴があります。文様は模様とも称されますが、副題のくりかえしとは、模様の反復と手仕事によるくりかえしの両方を意味しています。

日本では古来よりの染織品、陶磁器、漆器などに幾何学文様が施されており、豊かで美しい暮らしの一助となっています。本企画展では、麻の葉文様の刺子大風呂敷〈岡山県倉敷〉、七宝文様の染付番茶碗〈佐賀県伊万里・江戸時代〉、外村吉之介初代館長と模様の工夫を重ねて作られた倉敷花むしろ〈岡山県倉敷・昭和時代〉などを出品予定です。 そのほかイランの岩塩袋、アフリカの染織品や木製スツール(腰掛)、アメリカの鉢など世界各地の工芸品(館蔵品)も出品予定です。 民族に関わらず共通した幾何学文様の魅力をお楽しみ下さい。

小型の蛸壺や土垂

こちらも同じ漁師から譲って貰ったイイダコ(飯蛸)を捕獲する小型の蛸壺や漁網を沈めるための土垂(どすい・別名:イワ)。素焼き製で長さ5〜12cm、紐(クモ)を通すための孔や凹みがある。この種のものは、縄文・弥生時代の遺跡からも多く出土していますが、これは近年のもの。海底を長年引き回され、肌がなかなか良い景色になっています。土垂は、茶事の蓋置きとしても人気があると聞きました。

むかし下津井回船問屋

はぜ壺は、倉敷市児島にある明治時代の回船問屋の建物を復元した資料館・むかし下津井回船問屋にも展示されていました。

展示会:日本陶彫会
    瀬戸内支部展
日 時:2022年10月1日(土)〜12月25日(日)
    9:00〜17:00(入館は16:30まで)
観覧料:無料
会 場:むかし下津井回船問屋 蔵ホール
    岡山県倉敷市下津井1-7-23
    090^6418-3100(木村)

沼田一雅を祖とする日本唯一の陶彫の支部展です。

瀬戸内海歴史民俗資料館

瀬戸内海周辺の歴史と文化財を学ぶには、建築家・山本忠司さんが手掛けた瀬戸内海歴史民俗資料館の展示品もお勧め。瀬戸内海を一望出来る景勝地・五色台の山上に鎮座。2021年、館内に「瀬戸内ギャラリー」を設け、常設で語れない企画展示を行なっている。観覧無料!

山本忠司(1923~1998)は、大川郡志度町(現・さぬき市志度)に生まれ、1943年に京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)図案科に入学。京都工業専門学校建築科を卒業後は香川県土木部営繕課技師として香川の戦後復興のために働き始める。また、金子正則知事(1907~1996)の指揮の下、丹下健三(1913~2005)の県庁舎計画にも携わり始める。

山本は、この経験を通して、地元香川で培われてきた木工事や石材加工の職人技の高さや素材の豊富さ、手仕事として実感できる伝統の厚みに目覚めていく。その成果は、香川県立武道館(1964)や栗林公園・讃岐民芸館(1970)などに結実する。また、県庁舎の石工事を担当した地元の岡田石材工業の岡田 賢(1924~2011)や彫刻家の流 政之(1923~)ら気心の知れた仲間たちと、自らの創造の原点となる喫茶・城の眼(1962)を完成させる。

そして、日本建築学会四国支部の民家研究グループの一員として携わった民家調査も、その視点を確かなものにしていった。調査の一部は、1970年に、彫刻家のイサム・ノグチ(1904~88)の邸宅、通称 “イサム家” となる丸亀の庶民的な武家屋敷を移築する設計の仕事としても実を結ぶ。続いて取り組んだのが瀬戸内海歴史民俗資料館(1973)であり、これによって県の建築技師としては初となる日本建築学会作品賞を受賞する。

このように山本は、建築課を率いて地元香川に根づく建築の姿を模索しながらも、大江宏、芦原義信、大髙正人、浅田孝ら著名な建築家に仕事を依頼して、香川県の公共建築の水準の向上にも努めた。また、浦辺鎮太郎や松村正恒、神代雄一郎らとの親交を深め、共同で瀬戸内海建築憲章(1979)を発表する。山本は、2010年に始まる瀬戸内国際芸術祭に結実する思想的な広がりをこの時点で提示していたのである。

香川県建築士会:建築ツアー資料(要約)

企画展:くらしの道具の技術革新
    実用新案と特許
日 時:2022年7月9日(土)〜11月6日(日)
    9:00〜17:00(入館は16:30まで)
観覧料:無料
会 場:瀬戸内海歴史民俗資料館
    香川県高松市亀水町1412-2
    087-881-4707

今日の生活において欠かせない様々なくらしの道具や機械製品の多くは、同じものを作るために発明者に許諾を得る必要があり、発明が保護されています。

当館の収蔵資料には、「特許」「実用新案出願」「新案特許」などと記されたラベルや焼印のある道具があり、表示は「特許法」、「実用新案法」などに基づいたものです。それらの制度は考案や発明を保護することで産業の発達を促すことを目的に、明治時代に制定されました。

本展では、日本における技術開発の礎の一つとされる実用新案や特許が付された道具を中心に展示し、くらしの道具の中にみられる技術革新や、地方の町工場や職人の取組みの一端を紹介します。

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