アイキャッチ画像は、地元の漁師から譲って貰った土師器の風合いを持つ素焼きの漁具・ハゼ壺。胴部分の曲面の脹らみや穴の形状に民芸的な趣もあり数点コレクションしています。先日、倉敷民藝館に19世紀・江戸時代のハゼ壺が展示(明治時代の回船問屋の建物を復元した資料館・むかし下津井回船問屋にも)されている事を知り記事にしてみました。
ハゼ壺は、海岸の浅瀬に「壺はえ縄漁法」の要領で仕掛けておき、潮の頃合いを見計らって引き上げる。その際、船の上に大きなタマ網を置いておいて、その上から壺の中に入っている獲物を海水と共に排出して捕獲するのですが、時にはイイダコやメバルなどが入っていて漁師を喜ばせたという。横に開いている丸い穴は、海面より引き上げる時に海水が抜けて中の獲物を逃げさせない工夫。マハゼがつがいで入る習性に着目し上部に2つ開けた穴も、結果的に、一方の穴から空気が入る排水性、ロープの結び易さ、海底での座りに配慮した形状となって上手く完成形になっている。
1970年代までは瀬戸内海で盛んに使われていたようですが、河口域の乱開発によりマハゼの姿が急速に消えてしまい、この漁法も廃れ、これらの壺は遺棄されてしまった。

NEWS! ご案内をいただきました 🤣
企画展:Formosa Taiwan
台湾原住民族の工芸
会 期:2026年6月24日(水)~12月6日(日)
10:00〜17:00
入館料:1,200円(一般)
会 場:倉敷民藝館
倉敷市中央1-4-11
086-422-1637
Formosa とは、16世紀の大交易時代、ポルトガル人航海士が豊かな緑に覆われた台湾を称えて呼んだ「美しい島」という意味です。台湾原住民族とは、中国大陸から漢民族の移住が盛んになる17世紀以前から台湾に暮らすオーストロネシア語族系の諸民族のことで、2026年4月現在台湾政府により16民族が公式に認定されています。それぞれの民族独自の信仰に基づく暮らしから生み出された工芸品は比類なきものであり、中でも染織品は世界的に見ても優れた手仕事として注目されてきました。柳宗悦は太平洋戦争下の1943年に初めて渡台し、その際に目にした台湾原住民族の織った織物の美しさを高く評価しています。
倉敷民藝館には、主に1960年代後半に収集された染織品、装飾品、木工品等約90点の台湾原住民族の工芸品が所蔵されており、今回は染織品を中心に約60点を展示いたします。初代館長・外村吉之介は、鶴亀文様布団地を例に挙げ「このような模様絣を一般に絵絣というけれども、美術的な絵画を求めたものでなく、工芸的な仕事で模様になりきっているので、模様絣と呼ぶべきである。そして模様化によって物の真髄が現われ、美しさも高められていることに注目せねばならない。生活に結びつく美しさは、工芸的模様になりきらねばならぬことを、この鶴亀はまざまざと示している」と著書の中で述べています。自然と深く結びついた信仰や暮らしから生み出された、美しい工芸の世界をお楽しみ頂ければ幸いです。

ご案内をいただきました! 🤣
企画展:日本陶彫会
土のアニマル展
日 時:2026年10月1日(木)〜12月25日(金)
9:00〜17:00
入場料:無料
会 場:むかし下津井回船問屋
岡山県倉敷市下津井1-7-23
086-479-7890
土で作った動物たち。犬・猫・ハイエナなど40点ほど展示します。来年の干支・羊もお出迎えします。ご高覧下さいませ。

こちらも同じ漁師から譲って貰ったイイダコ(飯蛸)を捕獲する小型のタコ壺や漁網を沈めるための土垂(どすい・別名:イワ)。素焼き製で長さ5〜12cm、紐(クモ)を通すための孔や凹みがある。この種のものは、縄文・弥生時代の遺跡からも多く出土していますが、これは近年のもの。海底を長年引き回され、肌がなかなか良い景色になっています。土垂は、茶事の蓋置きとしても人気があると聞きました。

こちらは、倉敷考古館に展示されている縄文時代の石錘(せきすい)。倉敷市の里木貝塚から出土したそうですが、横に置いてあるキャプションには、同音の石錐(せきすい)の文字が使われていて、英語も Stone Drill となっていて少し混乱しました。多分、過去のセッティングの折に手違いがあったのでしょうね(2025年12月13日、追記) 😅
ご案内をいただきました! 🤣
展示会:鶴島から探るキリシタン(終了)
日 時:2026年2月27日(金)〜5月31日(日)
10:00〜15:00(金〜日・祝日のみ開館)
入場料:500円(一般)
会 場:倉敷考古館
岡山県倉敷市中央1-3-13
086-422-1542
