アイキャッチ画像は、宇野港(田井地区)に接岸しようとしている大王海運(株)の RORO船・第五はる丸。RORO船とは、貨物を積んだシャーシ(荷台)などを載せ(ロール・オン)、輸送先でトレーラが乗り込みシャーシを連結し降ろす(ロール・オフ)仕様の船舶。この RORO船の対義に当たる船舶は、クレーンで貨物を積み降ろすコンテナ船・LOLO船(リフト・オン、リフト・オフ)でしょうか。
近年の燃料費高騰や長距離トラック・ドライバーの「時間外労働の上限規制」の適用による人材不足などの課題解消のためにも RORO船への需要拡大が期待されています。ようこそ宇野港へ 🤣
船 名:第五はる丸
船 主:大王海運(株)
全 長:170.9メートル
全 幅:27.4メートル
重 量:7,070トン
運 航:東洋商船(株)
建 造:内海造船(株)
就 航:2021年5月
船の大きさを表す単位・トン数には、容積に基づくトン数(Gross tonnage)と重量に基づくトン数(Net tonnage)があり、入出港で岸壁などの港湾施設を利用する際には、重量トン数で申告。因みに、第五はる丸の容積トンは、12,404トンです。
「本船は、水中にスクリューを有しており、回転すると圧水流が発生して危険!」という注意喚起表示の「(双)暗車注意」は、大型船舶に表示義務があるようですが、帆船 → 機帆船 → 外輪船 → 汽船と変遷してきた現代に於いても、この表示を続ける意味があるのかなぁ。 同様に、小型船舶なら消防用バケツとか、大型船舶なら予備錨とか、邪魔なだけで、いざという時に全く役に立たないモノを取り揃えることを要求されている。既得権者に都合の良い法律や条例が無自覚に放置されている 😅
画像右上の旧・貯木場は、近年中に埋立られてシャーシなどを待機させる事が出来る野積場になる筈。画像右下の後方には、株式会社 パワーエックスの日本最大級の蓄電池組立工場・Power Base が建設中。2025年頃には、同社の電気運搬船・Power Ark 100 の勇姿もここで見られるかもしれません。因みに、画像左下の巨大な自走式移動クレーンの使用料は、1時間で27,470円(参照:岡山県の港湾施設使用料)。
こちらは、春の宇野港(田井地区)の岸壁で見られる「真鯛の舞」。地元の港湾関係者の中では「風物詩」なのですが、一般人の立ち入りは禁止されているエリアなので、残念ながらご案内する事は出来ません 😅
このまま地球温暖化が進めば、2040年頃から使用可能になりそうな「北西航路」。いわば、日本からヨーロッパへの近道。現状では、日本からヨーロッパに到るには、広大な太平洋を越え、パナマ運河で巨額の通行料を支払い、大西洋に抜けて北上するか、海賊の巣窟・マラッカ海峡を抜け、テロリストからの攻撃に怯えながらインド洋を越え、スエズ運河で、またまた巨額の通行料を支払わなければならない。しかし、この北西航路が開発されると、日本を出港した船舶もベーリング海峡に沿って北上し、アラスカを横目に見ながら北極海に入り、北大西洋に出ることが可能になり、少なくとも航行距離を数千キロも短縮(時間も燃料も節約)できる。
既に、北極を取り巻くロシア、カナダ、デンマーク、ノルウェーなどの関係国間では、航路の管理権を巡っての駆け引きが繰り広げられているというのですから、国の強欲には有効な手立てが無い事を認めざるを得ません。ロシアにとっては、長年の国家的願望・不凍港の確保が叶うことになり、欧米の軍事戦略や日本のエネルギー戦略にも大きな影響を与えることになるようです。
因みに、地球の赤道を0度と定め、南北にそれぞれに90度に分けているのが緯度。その距離の60分の1を緯度1度とし、その60分の1を緯度1分=1,852m(1海里)と定めています。そして、英国の旧王立グリニッジ天文台を通る子午線を0度と定め、そこから東西に180度に分けているのが経度。
現代の船舶は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)で常に自船の位置(船位)を確かめながら航行していますが、太陽や北極星を頼りに運航していた時代の天測航法では、時計の誤差が1秒あると、距離換算で約450mの差異が生じたそうです。
「何なんw」 ーーー 藤井 風