岡山後楽園

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岡山後楽園は、和歌、能楽、書画を好んだ岡山藩主・池田綱政が、岡山藩郡代・津田永忠に命じて築かせた遠州流回遊式の大庭園。岡山市の中心を流れる旭川の中州にあり、岡山城の後苑として1686年から1700年頃までにほぼ完成。藩政時代には、御茶屋敷とか後園と呼ばれていましたが、1871年に岡山後楽園と改称。1884年に岡山県の所有となり一般に公開されました。後楽園の名称は、先憂後楽(天下を以て己が任となし、天下の憂いに先んじて憂え、天下の楽しみにおくれて楽しむ)という政治家の心がけを述べた中国・北宗の政治家・范仲淹の散文が由来という。延養亭から東面して望む沢の池と唯心山(アイキャッチ画像)や、それらを取り巻く広々とした芝生などが描き出す平明な景観が素晴らしい。

沢の池(2019)
延養亭(2019)

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催し物:夏の幻想庭園
    夜間特別開園
会 期:2023年8月1日(月)〜8月31日(木)
     18:00〜21:30(入園は21:00まで)
入園料:410円(一般)
会 場:岡山後楽園
    岡山市後楽園1-5
    086-272-1148

岡山後楽園では、賑わいや魅力の創出を図ることを目的として、園内をライトアップする夜間特別開園・夏の幻想庭園を開催します。

講堂@旧閑谷学校

こちらも津田永忠が備前藩主3代・池田光政に命じられて1670年に建てた庶民教育をした藩校・閑谷学校大原美術館の創設者である大原孫三郎、小説家の柴田錬三郎、詩人の三木露風などの人材を輩出。藩営としては日本最古。敷地を囲んでいる756mに及ぶ石塀は、雑草をも寄せ付けないかまぼこ型の完璧な石組みに目を奪われます。孔子廟前にある一対の楷の木が色づく11月中旬が見学のベストシーズン。

現在の姿が整ったのは、1701年。ケヤキ、桧、クスノキなどの良材に黒漆拭仕上げを施した格調高き建築を誇る国宝・講堂が特に素晴らしいけれど、僕が子供の頃は、周辺に割れた屋根瓦などが散乱していて騒然とした有様だった。ちょっと昔の景色なんてそんなもの。今は、なんでもが妙に整いすぎていて気持ち悪いね(笑)。

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催し物:第23回 旧閑谷学校ライトアップ(終了)
    ようこそ秋色づく閑谷へ
会 期:2022年11月5日(土)〜11月23日(金)
     18:00〜20:00
入場料:400円(一般)
会 場:旧閑谷学校
    岡山県備前市閑谷784
    0869-67-9900

現存する世界最古の庶民のための公立学校・旧閑谷学校。閑静な自然の中に備前焼の河原で葺かれた建造物群が点在し、独特な空間と落ち着いた雰囲気を醸し出しています。今年も楷の木の紅葉シーズンに合わせ、ライトアップします。また、ライトアップ時に孔子像の公開もします。物産販売・軽食もあります。文化の香り溢れる幻想的な美しさを、ぜひお楽しみください。

物産販売・軽食:11月5日(土)〜11月13日(日) 10:00〜19:30
        11月14日(月)~11月23日(水) 10:00~16:30

林原美術館(2019)

岡山後楽園の余韻を楽しむには、闇の中で静かに輝く水晶のような趣の林原美術館(設計:前川國男)がお勧めです。岡山の実業家であり、東洋古美術の熱心な収集家であった林原一郎(1908~61)の蒐集した東洋古美術コレクションと岡山藩主・池田家伝来の品々約1万点を所蔵。刀剣、武具甲胄、絵画書跡、能装束等の染織品、彫漆螺鈿、蒔絵、中国・朝鮮・日本の陶磁、青銅器、金工などをテーマごとに順次公開している。

福岡一文字の銘・吉房(国宝)などの刀剣や能装束・芦水禽文縫箔、洛中洛外図屏風(重文)などは必見。明治維新後は池田家の事務所となっていたが、先の大戦で長屋門と土蔵および、その中の伝来品を残して焼失。これらをすべて林原一郎が引き受け、美術館を建設することを念願としたが、志半ばして逝去。遺族や知人によって1964年に造られたのが岡山美術館(現・林原美術館)です。世のため人のためと美辞麗句を並べ、その実つじつま合わせに終始し、私的幻想を振りまいている現代社会にあって、そっと黙示的記号をばら播いています。

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企画展:戦記×刀
    駆け抜けたサムライたちの夢の跡
会 期:2023年4月15日(土)〜6月18日(日)
     10:00〜17:00(入館は16:30まで)
入館料:500円(一般)
会 場:林原美術館
    岡山市北区丸の内2-7-15
    086-223-1733

栄枯盛衰は世の常と言われ、いくつもの戦と平和を繰り返しながら現代社会へと繋がっています。今回は時代によって姿形を変えた刀剣の変遷を軸に、平安時代の戦乱を描いた『後三年記』から『平家物語』や『太平記』、『蒲生之記』などの戦物語や『古判手鑑』など戦国武将たちの書状、注文打ちの刀剣を展覧し、色々な想いをもって生き抜くために刀剣を持ち、太平を夢見て時代を、戦場を駆け抜けたサムライたちの軌跡をご紹介いたします。

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