岡山市立オリエント美術館

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日本のオリエント史学や美術史研究に必要と思われるものを美術史家・江上波夫(初代館長)がピックアップし、それを受けて実業家・安原真二郎(1911~1980)が現地の美術商相手に精力的な取引を続けて入手したコレクション(1,947点)を基礎にして1979年に開館した岡山市立オリエント美術館

国内外で高い評価を得ているコレクションは、学術的にも系統立てられており、有翼鷲頭精霊浮彫(レリーフ)は、紀元前9世紀のニムルド遺跡(アッシリア:現イラク共和国)から発掘(北西宮殿 I 室)されたもので特に貴重。更に2003年、中近東文化センターから購入。2005年には、実業家・岡崎林平のコレクション636点を追加。2021年には、元・岡山市長の岡崎平夫氏や画家・奧田 仁氏ら当館の設立から初期に関係の深い方々の旧蔵品・約150点が寄贈されるなど収蔵品は増え続けています。2022年3月現在、エジプト、ギリシャ、ガンダーラ、ペルシャやイラン高原などから出土した土器、陶器、青銅器、石製品、モザイク、ガラス製品、金属器、繊維製品、紙製品など、あらゆる素材の考古美術資料を約5,000点を収蔵。

岡山市立オリエント美術館(2022)

建築設計は、岡田新一設計事務所。トップライトからの光が小叩き仕上げの壁に柔らかな表情を与える2階光庭の意匠は、今も魅力を失っていない。

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企画展:シティ・ライフのはじまり、オリエント
会 期:2023年11月25日(土)~2024年9月1日(日)
    9:00〜17:00
入館料:310円(一般)
会 場:岡山市立オリエント美術館
    岡山市北区天神町9-31
    086-232-3636

約10年ぶりに改訂した新館蔵品展のテーマは「都市生活」です。随時展示品を入れ替えながら、都市文明の揺籃地・オリエントのシティ・ライフを紹介します。

第1フロアでは、都市の日常生活、都市で華開く技術、都市生活者が感じる不安、都市を成立させる仕組みなど4つのトピックを取り上げ、「テキスタイル」「化粧」「アクセサリー」「ヘアスタイル」といった親しみやすいものごとのはじまりを館蔵品から紹介します。第2フロアではオリエント世界を西から東へたどりながら、地域ごとのシティ・ライフとその背景を紹介します。最古の都市住民が育んだオリエントの美術工芸は、現代の私たちに何を語りかけてくれるのでしょうか。

岡山県立美術館(2015)

因みに、こちらの「岡山カルチャーゾーン」と呼ばれているエリアには、岡山県立美術館もあるので併せてご鑑賞下さい。建築設計は、岡山市立オリエント美術館と同様、岡田新一設計事務所

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特別展:走泥社再考
    前衛陶芸が生まれた時代
会 期:2024年2月27日(火)~4月7日(日)
    9:00〜17:00
観覧料:1,500円(一般)
会 場:岡山県立美術館
    岡山市北区天神町8-48
    086-225-4800

1948年、京都において八木一夫、叶哲夫、山田光、松井美介、鈴木治の5人の陶芸家によって結成された走泥社は、50年の長きにわたり活動してきました。本展は、日本の陶芸界を牽引し、日本の前衛陶芸が確立していくうえで中心的な役割を果たした走泥社の活動に焦点を当て、その意義や意味を再検証するものです。

走泥社の活動期間を見渡した時、その重要性は特に前半期にあることから、本展では、走泥社結成25年となる1973年までを対象とし、走泥社と同時期に前衛陶芸運動を展開した四耕会や日本陶芸界に多大な影響を与えたピカソやイサム・ノグチの作品、1964年の現代国際陶芸展出品作との比較も交えて、約180点の作品と多数の資料類により、前衛陶芸が生まれた時代を振り返ります。

画像左は、岡山県立美術館に隣接している岡山市立オリエント美術館のカフェ・イブリクの看板メニュー・アラビックコーヒー。現在のオーナーは5代目と伺いました。画像右は、旬を先取りした献立と盛り付けの美しさに魅了させられる懐石・昇一楼。親しい方との会食にお薦め。両館から徒歩5分。昼、夜共に要予約です。

夜の懐石@昇一楼(2022)

この日は、東京から岡山に出張で来られた「直島ファンクラブ」(2007〜2015)の第1回 交流会で出会った女性との会食でした 🤣

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