東京都庭園美術館

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約3年の改修工事を経て、2014年11月にリニューアルオープンした東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)の邸内撮影が特別に許されると聞きつけ、2015年に開催された「建築をみる2015 アール・デコの邸宅美術館 展」に駆けつけました。アイキャッチ画像は、カフェとミュージアムショップを備えている新館のギャラリー前に設けられたホワイエ。三保谷硝子製のガラス壁も美しい。

東京都庭園美術館(2015)

NEWS! ご案内をいただきました 🤣

展覧会:交歓するモダン
    機能と装飾のポリフォニー
会 期:2022年12月17日(土)〜2023年3月5日(日)
    10:00〜18:00(要予約・日時指定制
観覧料:1,400円(一般)
会 場:東京都庭園美術館
    東京都港区白金台5-21-9
    03-3443-0201

1910年代から30年代は、西欧を中心に日本を含む世界各地で様々なモダンの形が現われた時代でした。

機能主義に基づく「モダニズム」は、いまなお当時の中心的な動向とみなされていますが、一方で、大衆消費社会が進展したこの時代は、常に新しくあるために装飾することに価値が置かれた、儚き「モダニティ」の時代でもありました。実際、この対立的に捉えられることの多い二つの「モダン」はいくつものモダンの形をうちに含み、それらは複雑に関係しながら濃密な時代を作り上げていたのです。

当時の作家たちは、時間差なく情報を共有し、国やジャンルを越えて同期し合い、その範囲は、絵画、彫刻から、家具、食器、洋服、さらにそれらを収める建築や都市まで、いわば、私たちの生活空間、身体活動全般におよんでいます。

ウィーン工房は、フランスのファッションデザイナー、ポール・ポワレと刺激し合い、一方で、ロベール・マレ=ステヴァンなど同国のモダニストにも影響を与えました。その生活全般への眼差しはまた、日本の森谷延雄や斎藤佳三にも共有されるものです。同時性絵画で知られるソニア・ドローネーはファッションの仕事に専心し、ルネ・エルブストらモダニストは都市を彩るショーウィンドウデザインに大きな関心を払いました。そして、バウハウスでは女性作家が織物に新たな光を当て、また同校を離れた作家たちが、ブルク・ギービッヒェンシュタイン美術工芸学校を舞台に応用芸術教育に取り組むことになります。

1914年に勃発した人類史上初の世界大戦が象徴するように、この時代の最大の出来事は世界が一気に同期したということでした。その急速に変化する社会のなかで、作家たちがときに交わり、共鳴しながら探求したいくつものモダンの形を紹介します。

ホテルオークラ東京(2015)

こちらは、2016年6月に建て替えが決定的になったホテルオークラ東京(現・The Okura Tokyo)の本館。東京都庭園美術館での「建築をみる2015 アール・デコの邸宅美術館」を観覧する際に見学を兼ねて利用しました。ロビーを彩る漆塗りの丸テーブルと布張りのソファは、長 大作(1921〜2014)のデザイン。ご承知だと思いますが、上から眺めると梅の花に見えるように配置されていて、オークションに出されたら手に入れたい逸品。因みにこれは全くの余談ですが、一泊目の翌朝に別館にお住まいの某有名女性歌手とプールで並泳させて貰った事と、朝食でいただいた伝統メニューのフレンチトーストが絶品だった事を申し添えておきます 🤣

紙障子上部を飾っている組子障子・「麻の葉文」を制作したのは、佐藤重雄(1911〜?)。高く評価されているようですが、本人は「ホテルオークラの仕事? あれはいけません。突貫工事でやらされたんで気に入っていません。葉の筋1本落ちてもみっともありませんし、あればっかりは気がかりです」と語っています(「職人衆昔ばなし」 斎藤隆介・著より)。

1962年5月20日に竣工したホテル・オークラ東京の設計は、谷口吉郎。新しいホテルの基本設計は、谷口吉生。42階建てと17階建ての2棟で構成されるとの事。投資額は、約1,000億円。

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