金峯山寺

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奈良県の吉野山にある金峯山寺は、白鳳年間の7世紀後半、役行者(役小角)が吉野山から山上ヶ岳を経て大峰山にいたる山々に修行に入り、煩悩を打ち伏せる修験道の本尊・金剛蔵王大権現を感得。その姿を桜に刻んで主峰の山上ケ岳(山岳信仰の対象として金御嶽と呼ばれ、清浄な山として敬われてきた)に祭祀したのが開創と伝えられていますが、実際には密教などと絡み合って、次第に今のスタイルに形作られてきたと考えるのが自然な流れなのかなと感じます。因みに、この吉野・大峯から熊野三山への参詣道・大峯奥駈道は、「紀伊山地の霊場と参詣道」として2004年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。

重層入母屋造りの仁王門(国宝)をくぐると本堂・蔵王堂(国宝)が堂々たる存在感をもって待ちかまえています。現在の建物は、1455年の再建で単層裳階付き入母屋造りの檜皮葺き。東大寺の大仏殿に次ぐ規模の内陣には、杉・桧・松などを自然木のままの柱が68本林立していて圧倒されます。アイキャッチ画像は、特別御開帳の時のみ拝観が可能な悪魔降伏の姿を現わした本尊・金剛蔵王大権現(国の重要文化財出典:金峯山寺のホームページより)

蔵王堂(2022)

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名品展:金峯山寺仁王門
    金剛力士立像
会 期:2021年2月23日(火・祝)〜2028年度頃まで
    8:30〜16:00
入場料:700円(一般)
会 場:奈良国立博物館・なら仏像館
    奈良市登大路町50番地
    050-5542-8600(ハローダイヤル)

奈良県吉野町に位置する金峯山寺の重要文化財・木造金剛力士立像2軀を名品展にて特別公開します。この金剛力士像は、仁王門(国宝)に安置される像高5メートルに達する巨像で、彫刻部門の指定品の中では東大寺南大門像に次いで2番目に大きい像です。像内の銘文より南北朝時代の1338年から翌年にかけて南都大仏師・康成によって造られたことが解っています。同像は、2019年の夏に仁王門修理のために搬出され、当館の文化財保存修理所へと移動し保存修理が進められていました。

仁王門と金剛力士立像

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行 事:仁王門大修理勧進(終了)
    秘仏ご本尊特別御開帳
会 期:2022年11月1日(金)〜11月30日(水)
    8:30〜16:00
拝観料:1,600円(一般)
会 場:金峯山寺・蔵王堂
    奈良県吉野郡吉野町吉野山2498
    0746-32-8371

仁王門は、寺内で現存する最古の建造物で1338年頃の再建とされます。南北朝動乱の際、高師直が吉野山に攻め入りましたが、消失を免れたと伝わります。2004年には、ユネスコの世界文化遺産・「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成物の一つとして指定されました。

仁王門は、明治時代の解体修理後2度の修理を施して来ましたが、この度の大修理を発願いたしました。仁王門の大修理勧進のために本堂・蔵王堂の日本最大秘仏・ご本尊金剛蔵王大権現3体を毎年一定期間に特別ご開帳いたします。普段は、蔵王堂内陣の奥深くに安置されている秘仏・ご本尊と、ご縁をもっていただけますよう、ご案内申し上げます。

吉野大峯ケーブル

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企画展:MIND TRAIL(終了)
    奥大和 心のなかの美術館
会 期:2022年9月17日(土)〜11月13日(日)
入場料:無料
会 場:奈良県 吉野町、天川村、曽爾村

MIND TRAIL は、2020年、コロナ禍で始まりました。作品を通して奥大和の雄大な自然を体感するために、最長5時間かけて歩く芸術祭を開催し、当時大きな打撃をうけていた奥大和の観光に一石を投じることができました。

過去2年間に参加したアーティストたちは会期終了後も地域の皆さんとさらなる交流を深め、会場となったエリアでは MIND TRAIL や来場者を含めてサポートする体制が新たに生まれようとしています。これは MIND TRAIL が人との会話、自分との会話、環境との会話、地域との会話など、対話することから派生している現象です。

2022年の MIND TRAIL は、この2年間で多くの方との対話から生まれた繋がりを改めて考えるために、テーマを “Conversation(対話)” として開催いたします。奥大和で様々な連携が起こり、 言葉・声・心の声など多くの対話が生まれるような新しい試みを行っていきたいと考えています。

MIND TRAIL の役割が、大きく変わろうとしています。観光誘致、観光資源の再発見のためだけではなく、奥大和という地域をデザインするケースの一つとしても、多くの方々に体験していただければと思います。そしてこれまでと変わらず、素晴らしいアーティストたちの作品、地域の方々とのかけがえのない交流、膨大なエネルギーを孕んだ奥大和の大自然と地域の皆さんがもつ叡智に、訪れた方は必ずパワーを得られることでしょう。

小南トンネル

余談ですが、2010年11月末日、桜井市の多武峰にある談山神社からレンタカーで洞川温泉の宿へ移動の際、カーナビが県道48号洞川下市線を推奨ルートと示したため、狭くガードレールも少なく、離合不可能な山道を抜ける羽目になった経験があります。当初は、紅葉の美しさに歓声を上げていたパートナーも落ち葉が大量に降り積もり、滑り落ちたら奈落の底の状況に助手席で悲鳴を上げる始末。そして、ヘッドライトが「小南トンネル」を照らし出した時にはフリーズ状態に(涙)。

この日の宿・光緑園西清の女将さんの話(国道309号経由が正しいルート)では、僕らのような「犠牲者」は結構多いそうです。翌日、初雪を観測! この山道、12月10日以降は、通行禁止になると後に知りました 😅

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