製塩業と新田開発で財を成した野﨑武左衛門(1789〜1864)が、1830年頃から1850年頃にかけて築いた旧野﨑家住宅(野﨑家塩業歴史館)は、宇野港から西に車で30分ほどの倉敷市児島にあります。1977年に岡山県の指定史跡となり、1995年には博物館として登録され、2006年には建造物が国の重要文化財に指定。2011年には岡山県の博物館として、財団法人・竜王会館が初の公益財団法人に認定。敷地面積は約3,000坪・建物延床面積は約1,000坪。
アイキャッチ画像の長屋門を入ると、本瓦葺の主屋群と土蔵群が眼前に広がり、左手の中門を潜ると表書院の枯山水庭園が迎えてくれる。表書院、中座敷などが襖を開けて公開されていて北の向こう座敷まで9部屋(約42m)を通して拝見できます。
現在、画像左上の米蔵2棟を歴史資料、製塩道具183点、野﨑家使用の民具などを展示する野﨑家塩業歴史館として公開されています。当時の使用人は、約70人! 切石敷きの台所は、約45坪あり展示されている台所用品も見応えがあります。
近所には、古道具店・ウームブロカントや、ピンクのステッチと藍染めの腰裏生地がアイコンの桃太郎ジーンズなどが軒を連ねる児島ジーンズストリートがあり散策も楽しめます。
NEWS! ご案内をいただきました 🤣
公 演:第5回 こじま能
野﨑家所蔵の能面が彩る能の世界
日 時:2024年10月29日(火)
10:00〜10:40(9:15開場)
観覧料:10,000円(限定50名)
会 場:旧野﨑家住宅 別邸・迨暇堂
岡山県倉敷市児島味野1-8-34
086-472-2001
「こじま能」では、江戸時代から岡山県倉敷市児島にて製塩業をされている野﨑家所蔵の貴重な能面、狂言能を使わせていただいてまいりました。5回目となる今回は、これまでの感謝をこめて、またますますのご発展をお祈りし、めでたい演目をお贈りいたします。
林 宗一郎(観世流シテ方 能楽師)
こちらは、旧野崎家住宅の庭に展示されていた溜石(ためいし)。「塩を煮つめるのに使用した石炭の重量を計るため、船に積んで印(喫水線)をつけるのに使った石(分銅)です。1個60kg(16貫)」と説明板にありました。
余談ですが、船に積荷する貨物の容積を求める方法に才数(さいすう)という単位があり、1立方尺(0.303m × 0.303m × 0.303m = 0.027818127立方m)の35倍が0.973634445 = 1才(さい)と定めています。重量に換算すると8kgになります。つまり、1立方m = 35才 = 280kg 。例えば、重さが僅か100gしかない一辺50cm(0.5m) の貨物も才取り計算では、0.5m × 0.5m × 0.5m × 280 = 35kg の値が適用され運送料金に反映されます。どこかで、この知識が役に立ちますように(笑)。
こちらは、旧野﨑家住宅から西に約3キロにある武左衛門の孫・武吉郎の旧別荘をうどん店にした梅荘。本館など5件が国の登録有形文化財に指定されている。瀬戸内海の代表的な景勝地・鷲羽山展望台にも近接。週末は、開店早々に麺が売り切れ閉店もあるので訪ねる際は問い合わせが望ましい。