防御アート・直島銭湯 I ♥ 湯

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美術家・大竹伸朗さんが手掛けた直島銭湯・ I ♥ 湯。公益財団法人・福武財団が直島住民の交流と福祉を目的に建設。環境への負荷を抑えるため給湯設備には木質ペレットボイラーを導入。運営は、直島観光協会に委託されています。 1度に利用できるのは、男湯、女湯とも8名程度。

NEWS! ご案内をいただきました 🤣

企画展:大竹伸朗展(終了)
会 期:2023年8月5日(土)~9月18日(月・祝)
    9:30〜18:00
入館料:900円(一般)
会 場:富山県美術館
    富山県富山市木場町3-20
    076-431-2711

本展は、高度経済成長期の東京に生まれ育った大竹伸朗の軌跡を7つのテーマ ――「自/他」「記憶」「時間」「移行」「夢/網膜」「層」「音」―― に基づいて読み解く回顧展です。

大竹伸朗(1955〜)は、1980年代初めに華々しくデビューして以来、絵画、版画、素描、彫刻、映像、絵本、音、エッセイ、インスタレーション、巨大な建造物に至るまで、猛々しい創作意欲でおびただしい数の仕事を手掛け、トップランナーであり続けてきました。近年ではドクメンタ(2012・ドイツ)とヴェネチア・ビエンナーレ(2013・イタリア)の二大国際展に参加するなど、現代日本を代表するアーティストとして海外でも評価を得ています。

2006年に開催された「全景 1955―2006」以来の大規模な回顧展となる本展では、国際展に出品した作品を含むおよそ500点を7つのテーマに基づいて構成します。作者が「既にそこにあるもの」と呼ぶテーマのもとに半世紀近く持続してきた制作の軌跡を辿るとともに、時代順にこだわることなく作品世界に没入できる展示によって、走り続ける強烈な個性の脳内をめぐるような機会となるでしょう。

左:直島銭湯 右:羽根田邸(2009)

「あのね、大竹先生から色々と教わったの。このペンギンは、ペルちゃん。浴室にいる象さんは、女の子でサダコさん。このタイルは、インドネシア製。あのオブジェは、隣の家から譲ってもらって大竹先生がご自分で取り付けられたの。ちょっと、こっちに来てご覧なさい。あの階段を登って、鳥たちが巣箱に入るんだって!」と、楽しそうに解説して下さった羽根田文子さん。

羽根田邸の玄関(2009)

ところが、直島銭湯・ I ♥ 湯が開業して数日後の2009年8月、写真撮影に再訪してみたら思いも寄らない事態になっていました。「先生の素敵なボインちゃんを毎日眺められるのは嬉しいのよ。でもね、玄関に置いている工事用コーンを跨いで入って来て、フェンスに背をもたれかけて写真を撮る観光客が多くて迷惑しているのよ。何とかならないものかしら!」と悩みを打ち明けられたのです。彼女は、観光客との触れあいを楽しみにしていただけに、その困惑は大きく・・・

「じゃあ、僕が一肌脱ぎましょう!」

「えっ、ご迷惑でないかしら?」

なんて、やりとりがありまして(笑)・・・アートにはアートで対抗しようと、美術家の佐藤史仁さんに白羽の矢を立てた次第です。

その後、色々と紆余曲折がありましたが、佐藤さんの作品も出来上がり設置に直島に赴く旨を羽根田文子さんに告げたところ、なんと、ご主人の德義さんが亡くなったと知らされました。まさかこのタイミングでと絶句しました。結局、作品・マネーバードの設置は、2010年8月まで延期になったのですが、これら一連の顛末をニューヨークを拠点に活動されていた映像作家の上杉幸三マックスさんが面白がってくれて宇野直島チャンネルで動画を配信して下さいました 😊

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