防御アート・直島銭湯 I ♥ 湯

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美術家・大竹伸朗さんが手掛けた直島銭湯・ I ♥ 湯。開業して数日後の2009年8月、久々に写真撮影で訪れてみたら思いも寄らない事態になっていました。「先生の素敵なボインちゃんを毎日眺められるのは嬉しいのよ。でもね、玄関に置いている工事用コーンを跨いで入って来て、フェンスに背をもたれかけて写真を撮る観光客が多くて迷惑しているのよ。何とかならないものかしら!」。

彼女は、観光客との触れあいを楽しみにしているだけに、その困惑は大きかったようで・・・

「じゃあ、僕が一肌脱ぎましょう!」

「えっ、ご迷惑でないかしら?」

なんて、やりとりがありまして(笑)・・・アートにはアートで対抗しようと、美術家の佐藤史仁さんに白羽の矢を立てた次第です。

その後、色々な紆余曲折がありましたが、佐藤さんの作品も出来上がり設置に直島に赴く旨を羽根田文子さんに告げたところ、なんと、ご主人の德義さんが亡くなったと知らされました。まさかこのタイミングで・・・結局、作品・マネーバードの設置は、2010年8月まで延期になったのですが、これら一連の顛末をニューヨークを拠点に活動されていた映像作家の上杉幸三マックスさんが面白がってくれて宇野直島チャンネルで動画を配信して下さいました 😊

マネーバードの設置(2010)

このプロジェクトを振り返ってみれば、僕の役割は、羽根田文子さんから悩みを告げられ、その解決策を佐藤史仁さんに求めた事だけでした。それでも、自分の立場からすると、今回のような事態に対して、他にアクションを起こそうとする人が居なかったことに注目して欲しい。彼女が困っている事に気づかない筈はない。でも手を差し伸べようとはしない。それは何故なのか?

たとえば、直島には、ベネッセコーポーレーションや著名な作家の活動に対して、表だって異議申し立てが出来ないような空気感があるのかもしれない。僕は、それをトラブルを恐れる自己抑制的思考と、それに伴う不作為と見ているのですが、それは他の数多の事例にも当てはまる普遍的な問題でもありますね(笑)。

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