美術家・大竹伸朗さんが手掛けた直島銭湯・ I ♥ 湯。公益財団法人・福武財団が直島住民の交流と福祉を目的に建設。環境への負荷を抑えるため給湯設備には木質ペレットボイラーを導入。運営は、直島観光協会に委託されています。 1度に利用できるのは、男湯、女湯とも8名程度。
NEWS! ご案内をいただきました 🤣
個 展:大竹伸朗 展
会 期:2025年8月1日(金)~11月24日(月・振)
10:00〜18:00(入館は17:30まで)
入館料:1,500円
会 場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
香川県丸亀市浜町80-1
0877-24-7755
1988年に宇和島市に活動の拠点を移して以来、35年以上に渡ってこの地で制作し、国内外での幾多の個展や作品発表を続けてきた大竹伸朗(1955〜)の大規模個展。2013年の「大竹伸朗展 ニューニュー」以来12年ぶりの当館での個展開催となる本展では、半世紀近くにおよぶ創作活動を通じ、圧倒的な熱量が生み出した膨大かつ多様な作品の数々から、〈網膜〉シリーズにフォーカスし、大竹の作品世界をさらに掘り下げます。
大竹の絵画シリーズ〈網膜〉では、廃棄された露光テスト用のポラロイド・フィルムに残された光の痕跡がカンヴァスに拡大転写され、その表層に透明の絵具としてウレタン樹脂が塗布されており、分離している「透明のマチエール」と「写真像の色彩」が脳内で統合し、新たな像として私たちの前に立ち現れます。この〈網膜〉シリーズは、1988年に宇和島のアトリエで始まり、1991年まで集中的に制作されて以降、断続的に制作されてきましたが、本展に際し、現在、大竹は新作〈網膜〉の制作に集中的に取り組んでいます。
大竹の活動と並走するように長期間留置されたポラロイドの感光剤の変質が、蓄積された時間の記憶として「透明のマチエール」に閉じ込められた新たな〈網膜〉。本展では、この新作〈網膜〉を核とし、未公開作や巨大な立体作品《網膜屋/記憶濾過小屋》(2014)など、〈網膜〉とそこに接続する多様な作品を展観。大竹の現在地とこれからの展開を世界に向けて発信します。

「あのね、大竹先生から色々と教わったの。このペンギンは、ペルちゃん。浴室にいる象さんは、女の子でサダコさん。このタイルは、インドネシア製。あのオブジェは、隣の家から譲ってもらって大竹先生がご自分で取り付けられたの。ちょっと、こっちに来てご覧なさい。あの階段を登って、鳥たちが巣箱に入るんだって!」と、楽しそうに解説して下さった羽根田文子さん。

ところが、直島銭湯・ I ♥ 湯が開業して数日後の2009年8月、写真撮影に再訪してみたら思いも寄らない事態になっていました。「先生の素敵なボインちゃんを毎日眺められるのは嬉しいのよ。でもね、玄関に置いている工事用コーンを跨いで入って来て、フェンスに背をもたれかけて写真を撮る観光客が多くて迷惑しているのよ。何とかならないものかしら!」と悩みを打ち明けられたのです。彼女は、観光客との触れあいを楽しみにしていただけに、その困惑は大きく・・・
「じゃあ、僕が一肌脱ぎましょう!」
「えっ、ご迷惑でないかしら?」
なんて、やりとりがありまして(笑)・・・アートにはアートで対抗しようと、美術家の佐藤史仁さんに白羽の矢を立てた次第です。
その後、色々と紆余曲折がありましたが、佐藤さんの作品も出来上がり設置に直島に赴く旨を羽根田文子さんに告げたところ、なんと、ご主人の德義さんが亡くなったと知らされました。まさかこのタイミングでと絶句しました。結局、作品・マネーバードの設置は、2010年8月まで延期になったのですが、これら一連の顛末をニューヨークを拠点に活動されていた映像作家の上杉幸三マックスさんが面白がってくれて宇野直島チャンネルで動画を配信して下さいました 😊