アイキャッチ画像は、写真家・藤塚光政さんをベネッセアートサイト直島の専用桟橋まで送迎した後に宇野港へ帰港している自艇の航跡。「君の写真を撮ったから送るよ」と言われても、この距離じゃぁ気づきようもありません(笑)。因みに手前の砂浜に大竹伸朗さんの作品・船尾と穴(シップヤード・ワークス)、右奥に大槌島や瀬戸大橋の橋脚などが確認できます。この日の前夜は、岡山市の食事処・PETIT PINE の女将と懐かしそうに会話を楽しまれておられました。
ご存じのように藤塚さんは、三宅一生さん(1938〜2022)や安藤忠雄さんなどのクリエイターだけでなく、雑誌の編集者にも信頼されていていて、Casa Brutus、美術手帖、家庭画報、モダンリビングなどに写真や文章を数多く提供されています。自分も編集者の使い走り時代に数多くの写真撮影現場に同行させていただきました。
近年では、宇野港フェリーターミナルの整備事業時に建築家の中川俊博さんを紹介していただいたご縁で、安藤忠雄さんの双子の弟・北山孝雄さんにもお会いする事が出来ました。なんという果報者でしょう 😅

思い起こせば、倉俣史朗さんの硝子の椅子と棚を九十九里浜で撮影した際には、三保谷ガラスの三保谷友彦さんともご一緒させていただきました。重かったですね 😅

個 展:藤塚光政・写真展(終了)
倉俣史朗・To be free
会 期:2009年5月14日(木)〜6月13日(土)
会 場:ギャラリー「夢のカタチ」
東京都港区西麻布1-8-4
03-3408-1256
この写真展でも紹介されていた倉俣さんの仕事には、ほぼ同時進行的に体験させていただきました。特に、三保谷ガラスが制作した硝子の椅子(1976)や硝子の棚(1977)などの撮影(重かった・笑)に立ち会えたことを感謝したい。
以下は、倉俣史朗さんのコメントある時、屋外で硝子の椅子を撮影していたところ、子どもたちが集まり、『見えない椅子だ』と喜んでいた。椅子という実態を認めながら、言葉の上では見えないという、この僅かな透き間に実は広大な宇宙を見る思いがする。光が物体に当たり色として表出するのではなく、光そのものの中に渾然とした色を感じる。
日本の言葉に『音色』というのがある。僕のもっとも好きな言葉である。透明な音の世界に色を見、感じるその事に一番魅せられ、視覚的に確認できる安心さと、透(な)いものから色を感じ、色を想う。このふたつの欲深な色の世界にイマージュする。