アイキャッチ画像は、写真家・藤塚光政さんを岡山市内のホテルからベネッセアートサイト直島の専用桟橋まで送迎した後に宇野港へ帰港している自艇の航跡。藤塚さんから「君の写真を撮ったから送るよ」と言われても、この距離じゃぁ気づきようもありません(笑)。因みに、手前の砂浜に大竹伸朗さんの作品・船尾と穴(シップヤード・ワークス)、右奥に大槌島や瀬戸大橋の橋脚などが確認できます。この日の前夜、岡山市の食事処・PETIT PINE にお連れしたのですが、女将と懐かしそうに昔話を楽しまれておられました。
藤塚さんは、ファッションデザイナー・三宅一生さん(1938〜2022)や建築家・安藤忠雄さんなどのクリエイターだけでなく、雑誌の編集者にも信頼されていていて、Casa Brutus、美術手帖、家庭画報、モダンリビングなどに写真や文章を数多く提供されています。編集者の使い走り時代に自分も数多くの写真撮影現場に同行させていただきつつ、社会人としての言動、振る舞いを教わりました。
そして近年も、宇野港フェリーターミナルの整備事業に携わった際に建築家・中川俊博さんを紹介していただいたご縁で、なんと安藤忠雄さんの双子の弟・北山孝雄さんと高松市内で讃岐うどんを一緒に食す機会をいただきました(笑)。なんという果報者でしょう 😅

思い起こせば、倉俣史朗さんがデザインして三保谷ガラスが制作した硝子の椅子と棚を九十九里浜で撮影した際には、三保谷ガラスの三保谷友彦さんも立ち会っていただきました。藤塚さんの指示で波打ち際まで他のスタッフと手持ちで運んだのですが、藤塚さんも懐古されている通り、とても重かった 😅

ある時、屋外で硝子の椅子を撮影していたところ、子どもたちが集まり、『見えない椅子だ』と喜んでいた。椅子という実態を認めながら、言葉の上では見えないという、この僅かな透き間に実は広大な宇宙を見る思いがする。光が物体に当たり色として表出するのではなく、光そのものの中に渾然とした色を感じる。
倉俣史朗
日本の言葉に『音色』というのがある。僕のもっとも好きな言葉である。透明な音の世界に色を見、感じるその事に一番魅せられ、視覚的に確認できる安心さと、透(な)いものから色を感じ、色を想う。このふたつの欲深な色の世界にイマージュする。
個 展:藤塚光政・写真展(終了)
倉俣史朗・To be free
会 期:2009年5月14日(木)〜6月13日(土)
会 場:ギャラリー「夢のカタチ」
東京都港区西麻布1-8-4
03-3408-1256
この写真展でも紹介されていた倉俣さんの仕事には、ほぼ同時進行的に体験させていただきました。特に、三保谷ガラスが制作した硝子の椅子(1976)や硝子の棚(1977)などの撮影(重かった・笑)に立ち会えたことを感謝したい。

余談ですが、この頃、ベネッセアートサイト直島が Twitter アカウントをフォローしているというメールが届く「事件」もありました。今は解除されているようですが、名誉な負傷記念日となりました 😅