玉野で生まれて・・・

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2021年3月29日、玉野市の基幹産業・造船業を長年牽引してきた三井造船(現・三井 E&S ホールディングス)は、三菱重工業に護衛艦などの艦艇事業を売却することに合意。玉野艦船工場の用地や設備を三菱重工業が保有し、三井 E&S の従業員約400人を委譲された新会社・三菱重工マリタイムシステムズを設立。商船事業は、既に福山市の常石造船と資本提携(2018年4月1日)を結んでおり、今後共、設計開発力やコスト競争力の強化を図っていくと発表しました。

護衛艦・いしかり@宇野港(2007)

こちらは、2007年8月9日、宇野港大型客船バースに入港した護衛艦・いしかり。対艦ミサイル、無人砲、チャフ・ロケット発射機を搭載したシステム艦の先駆けで、海上自衛隊で初めてガスタービン主機関を搭載。建造費:127.2億円。2007年10月17日除籍。

船 名:護衛艦・いしかり
船 主:防衛省・自衛隊
全 長:85.0メートル
全 幅:10.6メートル
重 量:1,290トン
建 造:三井造船(現・三井 E&S)・玉野事業所
就 航:1980年3月

海洋観測艦・しょうなん(出典:海上自衛隊 HP)

こちらは、2011年2月22日、宇野港大型客船バースに入港した海洋観測艦・しょうなん(湘南)。護衛艦や潜水艦、掃海部隊の浅海域作戦に欠かせない海底地形の精密調査や海底下物性調査をはじめ、潮流、海水塩分濃度などの海洋環境データを収集。建造費:188億円。

船 名:海洋観測艦・しょうなん
船 主:防衛省・自衛隊
全 長:103.0メートル
全 幅:16.4メートル
トン数:2,950トン
建 造:三井造船(現・三井 E&S)・玉野事業所
就 航:2010年3月

内航用練習船・大成丸@宇野港(2017)

こちらは、2017年11月20日、宇野港大型客船バースに入港した練習船・大成丸。内航海運業の即戦力となる船員の育成を担う。建造費:41.8億円。

船 名:内航用練習船・大成丸(4代目)
船 主:海技教育機構東京センチュリー(共同発注)
全 長:91.28メートル
全 幅:15.50メートル
重 量:3,990トン
建 造:三井造船(現・三井 E&S)・玉野事業所
就 航:2014年4月1日

テクノスーパーライナー@三井造船・玉野事業所(2011)

こちらは、高度な技術を要するアルミ溶接の船体、高機能のガスタービン・エンジン(GE製)、ウォーター・ジェット・ポンプ(RR製)、空気圧で船体をホーバークラフトのように浮上させる運航性能などの最新技術を集積した超高速旅客船・テクノスーパーライナー。2005年、紀伊水道で42.8ノットの最高速力を記録。

東京の竹芝と小笠原諸島の父島航路に就航予定で、小笠原海運とのリース契約を行う直前、同船内部を見学させていただく機会を得ました。その後、高価なジェット燃料のコストなどが議論の的になり引き取りを拒否された(小笠原新聞のテクノスーパーライナー関連記事)。

2011年5月17日から5月31日の期間、東北地方太平洋沖地震被災者用の「海のホテル」として宮城県の石巻港で運用されましたが、本来の能力を發揮する事なく、2017年8月、広島県の江田島で解体されました(涙)。建造費:115億円。

船 名:テクノスーパーライナー
船 主:テクノ・シーウェイズ
トン数:13,923トン
全 長:140メートル
全 幅:30メートル
建 造:三井造船(現・三井 E&S)・玉野事業所
進 水:2004年11月

テロ対策総合訓練@宇野港(2009)

宇野港では、テロ対策の総合訓練も時々行われています。こちらの「不審船」は、第六管区海上保安本部・玉野海上保安部に配属された巡視艇・たまなみ。艦橋に掲げられている赤と白、黄と赤の国際信号旗は、「私は演習中である。私を避けられたい」の意味。背後に見えるのは、三菱マテリアルの直島製錬所

余談ですが、船舶の安全確保を目的とするソーラス(SOLAS)条約(the Safety oLife aSea)に1980年5月15日、日本も加入。2004年7月1日の改正ソーラス条約に基づく保安対策強化のため、国際指定港(全国に111カ所ある)の宇野港にもフェンス、夜間照明、監視カメラ&センサーなどが設置され、立ち入りが厳しく制限されるようになりました。同条約では、国際旅客船が年1回以上、国際貨物船が年12回以上利用する岸壁の管理者は、設備の設置や出入りの監視などの保安措置を義務づけられていて、入退出時には立入許可証の提示が求められます。尚、立ち入り制限区域は、海上部へも適用されているので、プレジャーボートなどで不用意に接近しないようにご留意下さい。こちらは、海上保安部の取り締まり対象で、立ち入り制限区域は、当然ながら釣りなどの行為も禁止となっています。

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