「関係人口」を作る

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「関係人口」とは、継続的に離れた地域を行き来し、訪ねた地域やその地域の人々と多様に関わる人々のことと定義されていて、その土地に住んでいる、または移住した「定住人口」や、観光などで訪れた「交流人口」と区別されて語られています。自分たちが暮らしている玉野市で持続可能な「関係人口」を作るとは、この土地が独自に築き上げてきた風土との相性によって成り立つものではないでしょうか。因みに、玉野市は、友好都市として中国の九江市。交流都市としてアメリカのグロスター市。国内の姉妹都市として長野県の岡谷市。友好都市として静岡県の磐田市、東京都中央区と交流関係にありますが、こうした「関係」は幼なじみや仕事仲間と同様、疎遠になるにつれ交流は絶たれてしまう。つまり、「関係人口」として継続出来る関係とは言い難いのかなとの印象です。

昨今、人口減少に苦悩する全国の自治体が関心を向けるこの「関係人口」を作り続けるには、その風土に人を惹きつける魅力が必須だとも教わりました。弊社の商圏としている宇野港は、玉野市の「中心市街地」に位置していて、JR宇野駅も近接。スーパーマーケットやパチンコなどの遊戯施設、飲食&温浴施設、総合病院などが徒歩圏内という特徴があります。更に、船舶の修繕などのサポートも三井 E&S 造船の企業城下町ならではの対応力を備えています。

アイキャッチ画像は、玉野市に移住した方々との交流を目的に2012年4月から10年間開催された朝市ごはん会@玉野魚市場(海の駅・シーサイドマート)。その後も「茶話会@東山ビル」(11:00〜13:00)や「Party Party Party」が時々開催されています。

玉野市の築港銀座商店街(2009)

移住を検討している人々を支援する「たまののIJUコンシェルジュ」を設置した玉野市には、近年、移住者によるゲストハウスや飲食店、小売店などの新規開業が目白押しで、かつてシャッター通りだった「築港商店街」にも子供連れの姿が見られるようになりました。2020年1月に初めて国内で感染者が確認され、新型コロナ蔓延防止で密を避ける行動規制が講じられていた中でも、宇野港周辺では、2021年7月に UNO HOTEL が、2022年3月には、KEIRIN HOTEL 10 が開業するなど、「交流人流」の受け皿も充実してきています。

玉野市への移住をサポートする「うのずくり」の活動に携わっていると、時々、インド、ネパール、カナダ、アラスカ、北極、南極など、地球の極地を歩き回った石川直樹さんの旅の記録本・「いま生きているという冒険」を思い起こします。現代人には、Walk out(自然に戻るための歩き)することが必要ではないかと、石川さんは話されます。そうすれば、いにしえの人類が長い歴史の中で獲得していた、卓越した技術と神話的な思考を組み合わせて、イメージによって世界そのものと出会うことができるだろうと。ただ、この本を旅行記としてうっかり読み進めていると道に迷いそうですが(笑)・・・ May your passion lead you to unknown height.

動揺する時代に心の定まらない者は不幸を広げる。しっかりと思いを定めている者はよりよい世界を創る。

ゲーテ
宇野港の中心部(画像提供:SOLA

サービスとは、その価値を知らせるための行為である

そんなこんな感じで、自分は、人と人を繋ぐ仕事に魅力を感じています。そして、宇野港の利便性や魅力を内外に情報発信することで、分母となる入港船の増加を図りつつ、港湾の発展と保全、改修に微力ながら貢献が出来たらと願っています。「宇野港は保養を兼ねた寄港地として最高だ!」と船会社や船長さん、船員さんに支持していただけるポートセールスを心掛け、この地域に経済的な恩恵を呼び込むサポーターの一翼を担いたい。

まあ、「関係人口」の作り方は多様にあると思いますが、自分としては仕事と暮らしの両輪で成果を築いて行きたい。海・港・街を活動のフィールドにして、需要と供給をキャッチボールさせながら「関係人口」を築くスタイルは、持続可能な開発目標(SDGs)としても有効なのではないかと・・・ 🤣

NEWS! ご案内をいただきました 🤣

催し物:玉野市中古物品販売(終了)
    POP UP STORE 2022
日 時:2023年10月13日(金)〜10月15日(日)
    10:00〜17:30
主 催:玉野市
入場料:無料(要予約)
会 場:旧・玉原幼稚園
    岡山県玉野市玉原2-22-2
    0863-31-1388 (うのずくり

昨年に続き、玉野市の公共施設で長年使用されていた物品を販売するショップを3日間限定でオープンします。学校のテーブルや椅子、楽器、文具、本、食器など約1,000点を販売。まだまだ使えるものがたくさん。再びご利用いただきやすいよう、お手頃価格にてご提供します。なお、売上金は、玉野市政と移住支援を行うたまのの IJU コンシェルジュ(うのずくり & NPO法人みなとまちづくり機構たまの)の活動に役立てさせていただきます。

30分4組(1組大人2人まで。子供は人数にカウントしない)限定で、オンラインによる事前予約制となります。13:30以降は、予約なしで自由入場可能。事前予約は、2022年10月2日(水)の12時から開始します。

地元造船所の新浜さんと香川県坂出市の向井さん親子@宇野港(2020)

「巷(ちまた)」とは、物事が盛んに行われ、大ぜいの人々が生活している所の事。「奏(そう)」とは、神様が降りてくるように、お供え物を集めて神様に差し出す様子を表した漢字。その「巷」と「奏」に「水」を付け加えたのが「港」や「湊」との事。

歌人・藤原定頼が、「さか井と云所に、しおゆあみにおはしけるひめぎみに」と歌った「さか井」とは、後の堺港を指し、「しおゆあみ」とは、潮湯浴み(現在の温泉浴)の事。京都、奈良といった内陸部で暮らしていた大宮人に魚介類を供給する港、保養地として注目されていた様子が窺えます。16世紀、交易で栄える港の重要性を知った戦国大名たちが、港を勢力地に取り込み税の増収を目論んだり、堺で大量に生産された火縄銃が戦国動乱時代の戦いを一変させる様子は、正に「関係人口」を大いに作った史実そのものなのかなと?

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