屋島にて

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2022年8月、源平合戦の舞台・屋島の山頂に新たな交流拠点施設・「やしまーる」がオープン(アイキャッチ画像)。アクセスは、屋島山頂行きシャトルバスの利用がお勧め。パノラマ展示室では、約5m×約40mの絵画とジオラマによる保科豊巳さんの作品・「屋島での夜の夢」が有料で鑑賞(所要時間:約20分)出来ます。

NEWS! ご案内をいただきました 🤣

常設展:パノラマ・アート
    屋島での夜の夢
会 期:2022年9月29日(木)~
    9:20〜16:20
入館料:1,000円(中学生以下、無料)
会 場:やしまーる・パノラマ展示室
    高松市屋島東町1784-6
    087-802-8466

「やしまーる」のエントランスにおいて観覧受付を行います。入場可能時間は、月・水・木・日曜 = 9:20~16:20(13:00~14:00 はメンテナンスのため休止)。金・土曜 = 9:20~20:20(13:00~14:0017:00~18:00 はメンテナンスのため休止)。各回入替制で、9:20 の開始回から閉館時間40分前の回まで20分刻みで観覧回を設けます。火曜休館。

四国村のエントランス・おやねさん(2022)

こちらは、屋島の麓に作られている四国村。四国各地から民家や農村歌舞伎舞台、和紙の原料を蒸す作業場などを移築、復元している民家博物館。カトーレック(株)の創業者・加藤達雄(1923〜2022)が1976年に財団法人・四国民家博物館を創設し、更に2002年に安藤忠雄氏が設計した四国村ギャラリーを建設し数々の美術品ともどもを財団に寄贈。施設内に点在する民家の逞しい生活空間に触れる度、自分の薄っぺらな暮らしを見直さなくてはと思うのですが、所詮は無理筋ですね(笑)。ここには、屋島へのシャトルバスの停留所もあるので、アクセス手段を上手く使って訪ねていただきたい。

それにしてもここ屋島は、凄い磁力を持っていますね。ちょっと思い浮かぶだけでも、流政之(1923〜2018)、永見眞一(1923〜2015)、ジョージ・ナカシマ(1905〜1990)、イサム・ノグチ(1904〜1988)。ノグチは、石を切り出し過ぎて五剣山を「四剣山」に変えたそうです(笑)。

1999年、香川県の高松市から東へ10km、庵治石の産地・五剣山の麓にイサム・ノグチ庭園美術館が開館。入館は、完全予約制(ホームページの予約申込についてを参照)で館内の撮影は禁止(こちらの画像は、二川幸夫さんが撮影したものを拝借しました)。入口近くの石塀で囲まれた円形の敷地が晩年の制作拠点となった野外アトリエや天の神気と地の霊気に感応する結界に立ち並ぶ石柱、丸亀の武家屋敷を移築した住居の静寂には、彼の魂の「うねり」を感じる事でしょう。 因みに、近所の山椒山公園にイサムの遊具が2点設置されているので時間があればお立ち寄り下さい。

パリ・ユネスコ本部の庭園に使う石材調達のために岡山を訪れたノグチを捉えた1957年の動画が、岡山県立美術館にて一般公開されました。撮影者は、万成石・山元の浮田隆司さん。とても貴重な映像(8ミリテープ)だと思いますが、DVD化の予定は無いそうです。その他、岡山でのノグチは、金重陶陽の工房で作品の制作(ロクロが使えないので職人との協働)をしていたり、定宿にしていた倉敷国際ホテル吉備津神社のことなど、エピソードは多く残っているようです。

画像左は、四国村のエントランスエリアに設置されている「かずら橋」。画像右は、愛媛県上浮穴郡小田町(現・喜多郡内子町)の深い谷筋の奥まった急斜面石垣上に建っていた旧河野家住宅(国指定文化財)の「ザシキ」。南伊予地方の標準的な横二間取り民家で、間口12.6m、奥行6.7m で入母屋造りの茅葺き。2間の床には竹簀子を敷き、それぞれに「いろり」を切り、寒い山間の暮らしを支えました。「チャノマ」に続く土間には、和紙の原料にするコウゾを蒸す釜があり、その上に大きな桶が吊り下げられている。当時の農家が営んていた副業を知る上でも貴重な資料。建物は、18世紀前半に作られたと推定されている(四国村の説明文を要約転載)。

NEWS! ご案内をいただきました 🤣
    
企画展:刀と言葉 展(終了)
会 期:2023年4月22日(土)~6月25日(日)
    9:30〜17:00(入館は16:30まで)
入場料:1,600円(入村料含む)
会 場:四国村ギャラリー
    香川県高松市屋島中町91
    087-843-3111

四国村ギャラリー 2023年春の企画展は、刀剣をテーマにした展覧会を開催いたします。初公開となる当館所蔵の本阿弥家折り紙付き「刀 伝来国行」や、梵字文が入った拵が付属する「剣 銘 国継」など8口、林原美術館所蔵の御刀と拵を刀に由来する言葉と共に展覧します。

今展では、平安時代から江戸時代中期までの刀剣を、五ヵ伝ごとに紹介します。五ヵ伝とは五大産地(大和、山城、備前、相模、美濃)から派生した伝法(作風)の事を言います。それぞれに特色があり、数々の名刀が生み出され、美術品として後世に受け継がれています。

また、今日私たちが何気なく使っている言葉には、刀を由来とするものが多くあります。刀剣は祭事や神への奉納品として、また戦乱の世には武士達にとって欠かせない存在として大事にされてきました。そして、日本人の精神性や文化に深く関わりを持つ、刀剣に由来する言葉が数多く生まれました。この機械に、刀剣と刀に纏わる言葉を合わせてご覧いただき、その魅力と日本の文化の奥深さをお楽しみいただければと存じます。

私の好きなもの Part 2@四国村・ギャラリー(2019)

そして、琴電屋島駅から志度線で15分ほどの塩屋駅から徒歩5分には、ジョージナカシマ記念館があります。北欧家具が多数展示販売されていた1970年代の新宿西口ハルクで彼の家具に出会い、1980年代にメトロポリタン美術館のジャパンギャラリーで再度魅了されたジョージ・ナカシマ(1905〜1990)の椅子やテーブル。2008年11月、彼のマスターピースを多数コレクション&展示している記念館が開館したと聞き、心石工芸の心石拓男さん、ハルミファインクラフトの守屋晴海さんたちと一緒に訪ね、記念館の豊田洋一さんからナカシマのクラフトマンとしての思想や桜製作所の歴史や貴重なエピソードを聞かさせていただきました。

それにしても、東京から岡山に帰郷した1980年頃には、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(1991)、ベネッセハウス・ミュージアム(1992)、地中美術館(2004)、イサムノグチ庭園美術館(1999)、犬島製錬所美術館(2008)、ジョージナカシマ記念館(2008)、豊島美術館(2010)などが次々と開設されるとは、夢にも思いませんでした。心躍らされ勇気づけられるこれらの「心の拠り所」を維持、発展させ続けて下さっている方々に、心よりの敬意と感謝の気持ちを献げると共に、微力ながら自分も何らかの形でお役に立たなければという気持ちを一層強くしている次第です。

ジョージナカシマ記念館

NEWS! ご案内をいただきました 🤣

ライブ:小倉博和コンサート(終了)
    秋の音会
日 時:2022年9月25日(日) 16:00〜
会 費:5,000円(定員:30名)
会 場:ジョージナカシマ記念館
    香川県高松市牟礼町大町1132-1
    087-870-1020

小倉さんの紡ぐ秋の音 … 今年も ほんのひととき お楽しみください。満席となりましたので、受付を終了させていただきます

こちらは、2008年11月にご一緒した美術家・山田 茂さんが、記念館1階に設けられている世界一贅沢なカフェで寛いでいる様子。きっと至福の時だったでしょう。

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