ポール・コールさんは、サンフランシスコから貨物船に乗り込み日本に入国するほどの海好きにして、京都の旅館・俵屋に2週間も連泊するという「強者」。安藤広重の浮世絵が大好きというだけに、ユーモア溢れるテーマへの眼差しが魅力的です。アイキャッチ画像(ポールさんのフェイスブックより借用)の女性は、パートナーのいずみ・ユウさん。
こちらは、2005年5月の MIU ART BOX(2004〜2017)を飾ってくれたいずみ・ユウさんの作品・Check Me Out。創作への真摯な取り組み方が印象的です。紙への滲みが少なく発色が長期保存可能なアーカイバル・インクを用いたそうです。
こちらは、2005年10月の MIU ART BOXを飾ってくれたポールさんの作品・ALBINO DOLPHIN(写真)。印刷されている用紙は、映像&写真家のグレゴリー・コルベールさんも愛用している阿波和紙。撮影場所は、宇宙空間ではなくて(笑)サンフランシスコの Aquarium of the Bay です 😅
こちらは、玉野みなと芸術フェスタの野外アート展に出品してくれたポールさんの作品・「無罪・有罪」。この時には、「無断で張り紙をされた」として、展示中に土地の所有者が勝手に作品を撤去するという事件が発生。実行委員会との間で一悶着あったのも、今では懐かしい思い出になっています。
こちらは、いずみユウさんが同展で発表した宇高連絡船の岸壁遺構を使ったインスタレーション・「Sabi ha nemuranai」。黄色い円は、海水で溶いた四国楮。サイト・スペシフィックな要素も包含しているようです。
「宇高連絡船の岸壁として機能していた鉄錆に覆われた古いコンクリートの固まりは美しい場所である。ひとつの場所が歴史の中で変化していくとはどういうことなのか、制作をとおして考えてみたかった。黄色の輪は、長い年月の間幾重にもこの場所を照らしてきた太陽と月の光を表現したものだ。黄色は、瀬戸内の柑橘の色であり、人の魂をいやす力を秘めた色である。岸壁から海水を汲み、楮を直接史跡に流して漉いた。陽があたり、乾燥しながら楮は古いコンクリートと一体化する。さびた鉄の上に漉いた楮は、翌朝は黄色から褐色に変っている。海を見渡すこの場所で5日間仕事ができて幸せだった」。
いずみユウ
過日、ポールさんとユウさんを自艇で直島へお連れして、地中美術館、ベネッセハウス、家プロジェクトなどをご案内しました。杉本博司さんの護王神社に敷き詰められている大きな玉砂利を見て、キリング・フィールドのようだ! と発言されたのには、一瞬ギョッとさせられましたが、流石です(笑)。 この日は終始、ビューティフル! を連発されていたポールさんも、ベネッセハウスの別館・オーバルから見た瀬戸内海の景色には、更なる感動を得たようでした(2007年10月28日、追記)。
画像左は、ポールさんからプレゼントされたポートレート(部分)。画像右は、ユウさんとポールさんの送別会@鮨・魚正でプレゼントされた作品・Buddha in the world(2007)。この年、川崎医療福祉大学を退職され、シンガポールのナンヤン工科大学の美術デザイン・メディア部写真客員教授として3年ほど赴任されるとのことでした(2008年5月11日、追記)。