21_21 DESIGN SIGHT

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月刊誌・JAPAN INTERIOR DESIGN(1985年に廃刊)の森山編集長から誘われて席を置いていてた東京の六本木の編集部には、倉俣史朗さん(1934〜1991)の事務所があって、1970年代には取材対象となった物件の原稿を拝受したり、倉俣さんがデザインしていた三宅一生さん(1938〜2022)の新しいショップが都内にオープンする度に写真撮影に立ち合わせて貰っていました。

時は流れた2007年、その六本木の防衛庁跡地に誕生した複合施設・東京ミッドタウンのデザイン・ミュージアム・21_21 DESIGN SIGHT のディレクターの一人が三宅一生さんで、建築設計が安藤忠雄さん

僕は、人の “エモーション” を沸き立たせるような物作りを一貫して追求してきました。今の世の中を見渡すと、デザインという行為から “エモーション” を感じることがあまりに少なくなっています。デザインは20世紀が生んだ素晴らしい作業の1つだったかもしれません。しかし、20世紀も後半になると、作り手の作家性だけでデザインが成り立ってしまったり、企業買収などを含めたブランドビジネスのほうが、創作行為よりも優先され、物作りがデザインからどんどん離れていってしまっている気がしています。

僕は、こうした現状をもう一度デザインで切り崩せないかと考えているんです。それには、テクノロジーとイマジネーションを現代的な解釈のもとで結びつけて発想していくことが不可欠だと思っています。僕はつねに『シンプル』に帰る力を持っていたい。そして過去に捕らわれないで次のことをやりたい。自由にやりましょうよ。

三宅一生
アーヴィング・ペンと三宅一生  Visual Dialogue 展(2011)

NEWS! ご案内をいただきました 🤣

企画展:未来のかけら
    科学とデザインの実験室  
会 期:2024年3月29日(金)〜8月12日(月・休)
    10:00〜19:00(入場は18:30まで)
入場料:1,400円(一般)
会 場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー 1&2
    東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
    03-3475-2121

みなさんが思い浮かべる未来は、どのような姿でしょうか。あまりに壮大で漠然としており、はっきりとした輪郭をつかむことは難しいかもしれません。しかし、だからこそクリエイターたちは、未来に対するさまざまな可能性に思いをはせます。美しく、驚きにあふれた、より魅力的な世界を想像し、プロトタイプを通じて確かめるのです。今、私たちが未来のかたちをはっきりと描くことはできなくても、生み出された「未来のかけら」を通じて、その一部にそっと触れることはできるかもしれません。

本展では、幅広い工業製品のデザインや、先端技術を具現化するプロトタイプの研究を行うデザインエンジニアの山中俊治が、大学の研究室でさまざまな人々と協働し生み出してきたプロトタイプやロボット、その原点である山中のスケッチを紹介するとともに、専門領域が異なる7組のデザイナー・クリエイターと科学者・技術者のコラボレーションによる多彩な作品を展示します。最先端技術や研究における先駆的な眼差しとデザインが出合うことで芽生えた、未来のかけらたちを紹介します。

多様な視点が交わり、想像力が紡がれる会場で、科学とデザインが織りなす無数の可能性と、まだ見ぬ未来の世界に向かうデザインの楽しさを体感する機会となれば幸いです。

ウォールクロック・SPIRAL(1981)

こちらは、六本木・AXIS ビルに入居していたショップ・SPIRAL のために倉俣史朗さん(1934〜1991)がデザインしたウォールクロック(2082_8)。 ロゴのデザインは、取材先の山中湖別荘で手料理を振る舞っていただいた田中一光さん(1930〜2002)。

ISSEY MIYAKE 青山店(2011)

NEWS! ご案内をいただきました 🤣

ISSEY MIYAKE は、2023年6月22日(木)に 2023 / 24年春夏コレクションをパリ装飾芸術美術館で発表し、当サイトおよびインスタグラムの公式アカウントでライブ配信を行いました。

今回のコレクションは、製品プリーツという技法を用いた、ブランド独自のものづくりを見つめ直すことからはじまり、衣服そのものを本質まで削ぎ落す制作プロセスを行いました。こうして、自ずと浮かび上がってくるのは、シンプルなカッティングと繊細な色合いによる様々な新しい日常着、どれも創意工夫と技術力で実現されているものであり、ブランド創立以来変わらない「プロダクトとしての衣服」という哲学を現しています。

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