古い漁具

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アイキャッチ画像は、地元の漁師から譲って貰った土師器の風合いを持つ素焼きの漁具・ハゼ壺。胴部分の曲面の脹らみや穴の形状に民芸的な趣もあり数点コレクションしています。先日、倉敷民藝館に19世紀・江戸時代のハゼ壺が展示(明治時代の回船問屋の建物を復元した資料館・むかし下津井回船問屋にも)されている事を知り記事にしてみました。

ハゼ壺は、海岸の浅瀬に「壺はえ縄漁法」の要領で仕掛けておき、潮の頃合いを見計らって引き上げる。その際、船の上に大きなタマ網を置いておいて、その上から壺の中に入っている獲物を海水と共に排出して捕獲するのですが、時にはイイダコやメバルなどが入っていて漁師を喜ばせたという。横に開いている丸い穴は、海面より引き上げる時に海水が抜けて中の獲物を逃げさせない工夫。マハゼがつがいで入る習性に着目し上部に2つ開けた穴も、結果的に、一方の穴から空気が入る排水性、ロープの結び易さ、海底での座りに配慮した形状となって上手く完成形になっている。

1970年代までは瀬戸内海で盛んに使われていたようですが、河口域の乱開発によりマハゼの姿が急速に消えてしまい、この漁法も廃れ、これらの壺は遺棄されてしまった。

左:ハゼ壺@倉敷民藝館(2016) 右:ハゼ壺@犬島(2010)

NEWS! ご案内をいただきました 🤣

企画展:絣の国、日本
会 期:2025年12月5日(金)~2026年6月21日(日)
    10:00〜17:00
入館料:1,200円(一般)
会 場:倉敷民藝館
    倉敷市中央1-4-11
    086-422-1637

絣とは、糸をあらかじめ染め分けてから織ることで、布地に文様を表す織物技法のひとつです。「弓浜絣」や「久留米絣」など、特定の産地で作られる布の名称としても知られています。民藝運動の父・柳宗悦は、雑誌『工芸』第20号(昭和7年)において、絣について次のように評しています。

「思い様によっては絣は不自由である。染めれば楽に出る模様でも織り出すのは容易でない。それも模様だけ色を変えて出すのである。考えるより手間がかかり、注意が入り、技術が要る。(中略)月並な拙い原画でも、圓(まる)みが出てくる。冴えた走った画でも、角がとれて罪がなくなる。絣の美しさはそこから生まれている」

また当館初代館長で染織家の外村吉之介も、岡山で収集した鶴亀文様布団地を例に挙げ「このような模様絣を一般に絵絣というけれども、美術的な絵画を求めたものでなく、工芸的な仕事で模様になりきっているので、模様絣と呼ぶべきである。そして模様化によって物の真髄が現われ、美しさも高められていることに注目せねばならない。生活に結びつく美しさは、工芸的模様になりきらねばならぬことを、この鶴亀はまざまざと示している。」と著書の中で述べています。

当館が所蔵する絣は726点を数え、本展ではそのうち産地が判明している日本の絣290点の中から約100点を選び展示いたします。いずれも主な収集者は外村で、山形県から沖縄県にかけて、明治から昭和時代に制作された品々です。絣の魅力を通して、日本各地を旅するようなひとときをお楽しみいただけましたら幸いです。

画像右上にハゼ壺@むかし下津井回船問屋(2011)

ご案内をいただきました! 🤣

演奏会:春の演奏会
    ひなまつり
日 時:2026年3月1日(日)
    15:00〜
入場料:無料
会 場:むかし下津井回船問屋 蔵ほーる
    岡山県倉敷市下津井1-7-23
    086-479-7890

小型の蛸壺や土垂

こちらも同じ漁師から譲って貰ったイイダコ(飯蛸)を捕獲する小型のタコ壺や漁網を沈めるための土垂(どすい・別名:イワ)。素焼き製で長さ5〜12cm、紐(クモ)を通すための孔や凹みがある。この種のものは、縄文・弥生時代の遺跡からも多く出土していますが、これは近年のもの。海底を長年引き回され、肌がなかなか良い景色になっています。土垂は、茶事の蓋置きとしても人気があると聞きました。

こちらは、倉敷考古館に展示されている縄文時代の石錘(せきすい)。倉敷市の里木貝塚から出土したそうですが、横に置いてあるキャプションには、同音の石錐(せきすい)の文字が使われていて、英語も Stone Drill となっていて少し混乱しました。多分、過去のセッティングの折に手違いがあったのでしょうね(2025年12月13日、追記) 😅

ご案内をいただきました! 🤣

企画展:空から見た洞窟遺跡
    はるか旧石器時代の人々の営みに想いをはせて
日 時:2025年12月6日(金)〜2026年3月9日(日)
    10:00〜15:00(金〜日・祝日のみ開館)
入場料:500円(一般)
会 場:倉敷考古館
    岡山県倉敷市中央1-3-13
    086-422-1542

長崎県佐世保市にある特別史跡「福井洞窟遺跡」を中心とした北部九州の洞窟遺跡の空撮写真からひも解かれる古代人の生活のようすについて、貴重な出土品と合わせて紹介しています。岡山理科大学と共同開催する展示会で全国7会場で開催します。今回は、最新技術ドローンを使って、いつもと違う視点から洞窟遺跡を紹介します。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

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