スペインの小説家・ミゲル・デ・セルバンテス(1547〜1616)の著書・ドンキホーテの有名なセリフ・・・「夢ばかり見て現実を見ないのは狂気である。現実ばかり見て夢を見ないのも狂気である。しかし、もっと恐ろしい狂気がある。それは、夢の価値を知っていながら現実と折り合いをつける生き方だ」・・・人は、他人の権利を尊重しつつ生きなければ、自分が従っているルールによって殺される。
30歳の時、父から忙殺的な仕事を強いられ続けられて己を失って離婚にまで至った事を振り返った結果、自分が求めているものは、ときめきの充足と利便を仕事と暮らしの中で調和させるベクトルを追う事だと気づきました。運が良ければ、ある程度の成果も得られるだろうし、運が悪くても日々退屈しない時間が過ごせる筈です。風を正しく読む事が出来れば、順風満帆な航海も可能かもしれません。因みに、妻から返された指輪は宇野港に投棄しました(爆)。

こちらは、離婚の傷が癒えた1989年に立ち寄ったジャマイカ・ネグリルの船着場で出会ったスラム出身のスティーブ。まずは、彼の家に招かれ母親を紹介され、彼女へのお小遣いを強請られたのは、まあ想定内。その翌日、彼のガールフレンドと一緒に美味いジャークチキンの店に寄って(当然、自分の奢り・爆)、ローカルなレゲエ・パーティに参加出来たので、まあ全て帳消しとしました(笑)。
翌々日、ヌーディストビーチで有名なヘドニズム II から次の目的地・オーチョリオス行きの小型飛行機に搭乗したものの、気象の乱れで当時世界最悪の犯罪都市と聞いていた首都・キングストンに降り立つ羽目になったのは想定外。それでも、アメックスのトラベル・オフィスで紹介されたホテルが、エントランスに守衛が常駐していて、窓に鉄格子がある客室に泊まれたのは、ある意味「僥倖」だったかもしれません。

とはいえ、単独での街ブラは危険なので、オーランド行きの飛行機が出発するまで、近所の最高級ホテルに宿泊客を装って紛れ込み、終日プールでまったりしていました。そうした日々にも JICA 海外協力隊の隊員さんとの出会いもあり、専用バスでインディペンデンス・パークやボブ・マーリー博物館を案内して貰う栄に浴す体験も・・・後日談なのですが、ヘドニズム II のポロシャツを着ていたらニューヨークの街角で何度も冷やかされました(笑)。そんなこんなの思い出があり、今も手元に残しています 😅

その後も幸いなことに毎年、4週間のバカンス休暇を取って北米や香港周辺を周遊していました。こちらは、バハマにあるエルーセラ島のピンクサンドビーチでの一コマ。ペットボトルに詰めて持ち帰った砂で、砂時計を作るのも一興かなと思っています。
そんなこんなの、可もなく不可もない日常を過ごしていた2017年3月末、長年お世話になっていたフェリー会社から船舶代理店の契約を打ち切ると告げられる事態が発生! 幸い、スタッフは継続雇用されたものの弊社は「解散」という憂き目に遭いました。ただ、この一撃のお陰で、祖父の代から培ってきた家業を再認識する事も出来ました。
思い起こせば、2020年初旬から世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、宇野港を訪れる観光客の減少が顕著になったここ数年の事を振り返ると、当時のままフェリー会社の代理店を引き継いでいたら弊社は間違いなく倒産、自分は破滅していた事でしょう。ご先祖様のお導きがあったとしか思えません(笑)。

「解散」の事態を受けて自分は、新たに事業計画を作って補助金を得てホームページを開設。自宅をワーキングスペースとしテレワーク環境を整えました。その結果、年収では医師やパイロットには及ばないものの、時給換算だとを4倍ほど上回り(笑)、自宅のメンテナンス、家庭菜園のケア、コレクションの活用などを考える時間も得られるようになりました。仕事充足度も100点と言っても過言じゃない。終わりよければ、全て良し 🤣
ひるまずに 己の立てるところを深く掘れ そこには必ず泉あり(ニーチェ)
「悦ばしき知識」より


こちらは、自宅の裏庭エリア。シンボルツリーは、ハナミズキ。周辺には、ジャーマンアイリス、ヘメロカリス、スイセンなどを彩りにし、菜園スペースにミニトマト、キュウリ、ナス、ピーマンなどの夏野菜、イタリアンパセリやチャイブなどを育てています。

こちらは、自宅前庭の2階ベランダの高さまで誘引しているアルベリック・バルビエを伝って手すりの高さまで登って来たアマガエル。写真を撮った時は、産卵時期のようで、「グエッ、グエッ」と割と大きな鳴き声を上げていました。英語で tree frog と言うようで、主に木の上で生活するそうです。助けるつもりで地上に降ろしてやるのは、とんでもない迷惑行為でしょうね。

ところで、自宅から車で10分ほどにある深山公園には、カワセミやエナガ、ルリビタキなど約90種の野鳥が生息しているそうですが、自宅周辺では確認したことがありません。それでもハクセキレイやジョウビタキはお馴染みさんだし、ヤマガラやキジバト、スズメは部屋に飛び込んできたこともあるので、風呂桶の古材で作った餌台を前庭に面したベランダに設置してミカンを乗っけたところ、直ぐにメジロなどが入れ替わり立ち替わり飛来するようになりました。
美しい鳴き声が魅力のイソヒヨドリ(オス)の恐竜時代を彷彿とさせる風貌をキッチンから間近に見られた時は驚きでした。因みに、メジロのカップルも生態は多様で、仲良く一緒に食べるタイプや、己の食が満足するまで他者を追い払い続ける暴君も居ます。特に幼鳥や単身者は周辺からの危険に対する警戒が欠かせない。こうした穏やかな自然の息吹が身近で感じられる環境にも感謝です。