家業を振り返る

  • ブックマーク

スペインの小説家・ミゲル・デ・セルバンテス(1547〜1616)の著書・ドンキホーテの有名なセリフ・・・「夢ばかり見て現実を見ないのは狂気である。現実ばかり見て夢を見ないのも狂気である。しかし、もっと恐ろしい狂気がある。それは、夢の価値を知っていながら現実と折り合いをつける生き方だ」・・・他人の権利を尊重しつつ生きなければ、人は自分が従っているルールによって殺される。

家業を継承して以来、忙殺的な仕事を強いられ続けられて己を失って離婚にまで至った事を振り返った結果、自分が求めているものは、ときめきの充足と利便を仕事と暮らしの中で調和させるベクトルを追う事だと思いつきました。運が良ければ、ある程度の成果も得られるだろうし、運が悪くても日々退屈しない時間が過ごせる筈です。風を正しく読む事が出来れば、順風満帆な航海も可能かもしれません。

そのような気分で日々過ごしていた2017年3月末、父の代からお世話になっていたフェリー会社から船舶代理店契約を解除される事になり、スタッフは継続雇用されたものの会社は「解散」の憂き目に遭いました。ただ、この強烈な一発によって、結果的に長年培ってきた家業の強みを発見したのです。

更に思い起こせば、2020年初旬から世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、宇野港を訪れる観光客の減少が顕著になった数年の事を振り返ると、当時のままフェリー会社の代理店を務めていたら弊社は間違いなく倒産していた事でしょう。ご先祖様のお導きがあったとしか思えません。

パートナーからプレゼントされた HONDA の Tシャツ 😅

この会社の解散の事態を受けて新たに事業計画を作りホームページを開設。自宅をワーキングスペースとしテレワーク環境を整えました。その結果、年収では医師やパイロットには及ばないものの、時給換算だとを4倍ほど上回り(笑)、自宅のメンテナンス、家庭菜園のケア、コレクションの活用などを考える時間も得られるようになりました。仕事充足度も100点と言っても過言じゃない。終わりよければ、全て良しですね 🤣

ひるまずに 己の立てるところを深く掘れ そこには必ず泉あり(ニーチェ

悦ばしき知識」より
ワーキングスペース@自宅(2017)
家庭菜園@自宅(2017)

自宅裏庭のシンボルツリーは、ハナミズキ。周辺には、ジャーマンアイリス、ヘメロカリス、スイセンなどを彩りにし、菜園スペースにミニトマト、キュウリ、ナス、ピーマンなどの夏野菜、イタリアンパセリやチャイブなどを育てています。

こちらは、自宅前庭の2階ベランダの高さまで誘引しているアルベリック・バルビエを伝って手すりの高さまで登って来たアマガエル。写真を撮った時は、産卵時期のようで、「グエッ、グエッ」と割と大きな鳴き声を上げていました。英語で tree frog と言うようで、主に木の上で生活するそうです。助けるつもりで地上に降ろしてやるのは、とんでもない迷惑行為でしょうね。

左上から時計回りにヤマガラ、スズメ、メジロ、イソヒヨドリ(2017)

ところで、自宅から車で10分ほどにある深山公園には、カワセミやエナガ、ルリビタキなど約90種の野鳥が生息しているそうですが、自宅周辺では確認したことがありません。それでもハクセキレイやジョウビタキはお馴染みさんだし、ヤマガラやキジバト、スズメは部屋に飛び込んできたこともあるので、風呂桶の古材で作った餌台を前庭に面したベランダに設置してミカンを乗っけたところ、直ぐにメジロなどが入れ替わり立ち替わり飛来するようになりました。

美しい鳴き声が魅力のイソヒヨドリ(オス)の恐竜時代を彷彿とさせる風貌をキッチンから間近に見られた時は驚きでした。因みに、メジロのカップルも生態は多様で、仲良く一緒に食べるタイプや、己の食が満足するまで他者を追い払い続ける暴君も居ます。特に幼鳥や単身者は周辺からの危険に対する警戒が欠かせない。こうした穏やかな自然の息吹が身近で感じられる環境にも感謝です。

この記事を書いた人