ソーラス条約

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ソーラス条約とは、船舶の安全確保を目的とする国際条約(International Convention for the Safety of Life at Sea)・・・日本は、1980年5月15日に加入。2004年7月1日の改正ソーラス条約に基づく保安対策強化のため、国際指定港(全国に111カ所ある)の宇野港にもフェンス、夜間照明、監視カメラ&センサーなどが設置され、立ち入りが厳しく制限されるようになりました。因みに、侵入者は例外なく逮捕されます(笑)。

同条約では、国際旅客船が年1回以上、国際貨物船が年12回以上利用する岸壁の管理者は、設備の設置や出入りの監視などの保安措置を義務づけられていて、入退出時には立入許可証の提示が求められ、港湾関係者以外の人々の立ち入りが禁止されています。尚、立ち入り制限区域は、海上部へも適用されているので、プレジャーボートなどで不用意に接近しないようにご留意下さい。こちらは、海上保安部の取り締まり対象です。

テロ対策総合訓練@宇野港(2009)

アイキャッチ画像は、2009年9月に宇野港で行われたテロ対策総合訓練。不審船の役回りは、第六管区海上保安本部・玉野海上保安部に配属された巡視艇・たまなみ。艦橋に掲げられている赤と白、黄と赤の国際信号旗は、「私は演習中である。私を避けられたい」の意味です。

2004年7月16日、読売新聞(富山版)が「富山港右岸壁南側にある2が所で部外者チェックが全くない。許可証を掲げない乗用車やトラックも何のチェックもなしでゲートをくぐり抜けていた」との記事が掲載され、国土交通省港湾保安対策室や富山県土木部港湾課などを慌てさせた(要約転載)。改正ソーラス条約では、十分な保安措置がない港湾施設から出港した船は、他国の港に入る際に厳重なチェックを受けるなどの不利益を被ることになる。

元々、全ての港湾を同条約が求めるレベルで完璧に管理することなど不可能だと思うのだけど、同条約によって港湾周辺における違法放置車両が減少したり、マナーの悪い釣り人による投棄ゴミが減少したり、岸壁での荷役作業などがスムーズに行うことができるようになったのは確か。この点に限っては、港湾労働者の一人として喜ばしく思っております。

こちらの画像は、国際海事機関International Maritime Organization)が、総トン数500トン以上の貨物船に与えている固有番号の一例@宇野港。改正ソーラス条約によって、海事上の安全、汚染防止を促進させるため規定され、この番号は、所有者や船籍が移っても廃船になるまで変更されない。また、船舶自動識別装置(Automatic Identification System)を主な船舶に搭載することも盛り込まれ、日本国内でも2008年7月から義務化されました。

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