犬島にて

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手元の資料によると、岡山市が犬島精錬所跡に医療廃棄物の処分場を作ろうとしていた事に立腹した福武總一郎さんが、個人資産を投じて跡地を購入。それが、後の「犬島アートプロジェクト」への礎となったそうですね。本当に凄い! 🤣

犬島精錬所美術館は、2008427日(日)から一般公開されます。ベネッセアートサイト直島にも問い合わせが殺到しているらしい。漏れてくる話では、当面、金、土、日曜・祝日(夏期は、水・木曜日も開館予定)のみ開館するようです。事業・運営主体は、福武財団。総合プロデュースを福武總一郎さん。建築設計を三分一博志さん。環境システム構築を岡山大学環境理工学部が担当。鑑賞料は、1,000円。見学は、完全予約制でツアー形式を採用。第1期は、柳幸典さんのアートワーク・ヒーロー乾電池が設置される。

2009年の春から第2期事業に着手するという発表がありました。内容的には、直島の家プロジェクトの犬島版? 手掛けるのは、建築家・妹島和世さんと、東京都現代美術館のキュレーター・長谷川祐子さん。瀬戸内国際芸術祭の開催前に3施設がオープンする予定(2009129日、追記)。

アイキャッチ画像は、2010年17日に参加した犬島見学ツアーの一コマですが、瀬戸内海に点在する離島の固有性に感心しました。そして、経済優先の世の中で見捨てられつつある離島を、このように歴史、文化、アートという視点からとらえ直し、もう一度社会に繋げる(再発見して貰う)ことで、魅力的な資産に変貌させられることを学ばせていただきました。

犬島精錬所跡(2004)

初めて犬島に上陸したのは、写真家・青地大輔さんが、アートを通してコミュニケーションを築こうとしたプロジェクト・犬島時間(2004〜2016)が初開催された2004年6月2日でした。

第3回 犬島時間の出品作家とスタッフたち(2006)

個 展:青地大輔・写真展
    月相
会 期:2021年9月11日(土)〜9月28日(火)
    10:00〜18:00
入場料:300円
会 場:勝山文化往来館ひしお
    岡山県真庭市勝山162-3
    0867-44-5880

太陽が沈み、夕焼けのグラデーションが終わる頃、月の時間が始まる。太陽の後を追うように沈む月や、入れ替わるように昇る月は、刻々と姿を変化させ、おおよそ29.5日という時間をかけて永遠の再生を繰り返す・・・。

古来より、月は人々にとって想像力の源であり、暦や祭事、吉凶占いに用いるなど、生活とは切り離せない存在である。月にまつわる神話や伝承も数多く残されており、月を愛でる様子が和歌にも詠み込まれるなど、人々にとって月がいかに惹きつけられる存在であり、身近なものであったかがよく分かる。

そして現在、瀬戸内の水平線の見える場所にて。水平線近くで見える月は、大気の影響により赤い光以外は遮られ、多くの人が“達磨”と呼称する蜃気楼を伴う姿を現す。この現象は、朝日や夕日で見られるものが一般的だが、月も同じくその幻想的な姿を見せてくれる。しかし、年間を通して出会える機会はそう多くない。

月には満ち欠けがあり、新月、三日月、上弦の月、満月、下弦の月、三日月、新月と、その姿は日々変化していくため、同じ形のものに出会うには約一ヶ月、満ち欠けの際の月の傾きまで考えると、約一年待たなければならない。周期のことも考えると…。また、天候にも大きく左右されるため、月達磨との出会いはとても貴重な瞬間と言えるだろう。この貴重な出会いや満ち欠けの変化こそが、昔も今も変わらず、人々が月に魅了される理由のひとつではないだろうか。

今宵も月の舟が浮かぶころ、静寂な瀬戸内の海と月が織りなす神秘的な風景を眺めながら、月を畏敬し、神秘の力を見出していた先人の感性に想いを馳せる。

維新派の野外公演・風景画(2011)

また、瀬戸内国際芸術祭 2010 で、維新派の犬島での野外公演・「〈彼〉と旅をする20世紀三部作#3 台湾の、灰色の牛が背伸びをしたとき」と、同会場に併設されていた「屋台村」の世界観にもノックアウトされましたのも思い出。こちらの画像は、小さな入り江を舞台にした「風景画」の観客席(左方面は、撮影禁止・笑)。夏の名残を惜しむ気配、不意に打ち寄せてくる曳き波、演者の身体表現と言霊、揺らぎ、禊ぎ、慈愛、そんな90分間でした。

山の神と電飾ヒノマルと両翼の鏡の坪庭(2014)

こちらは、家プロジェクト・F邸(建築設計:妹島和世)に設置されていた柳幸典さんの作品・「山の神と電飾ヒノマルと両翼の鏡の坪庭」。

講演会:三分一博志(終了)
    犬島精錬所美術館の建築コンセプト
日 時:2012年4月1日(日)
    13:30〜15:10
定 員:100名(予約制)
参加料:1,500円(鑑賞料別途) 
主 催:ベネッセホールディングス福武財団
会 場:犬島精錬所美術館・屋外スペース
    岡山市東区犬島(アクセス
    086-270-5135(企画事務局専用ダイヤル)

犬島精錬所美術館を設計した三分一博志氏をお招きし、建築コンセプトをお話しいただきます。犬島は、周囲約3.6km の岡山市唯一の有人島です。島の東側には銅製錬所跡が残され、高くそびえる煙突と黒いカラミ煉瓦によって独特の風景が生まれています。

犬島精錬所美術館は、犬島にある遺構や素材、地形などを活かした美術館です。三分一氏は、これまでも各地の風土に基づいた自然エネルギーを利用した建築を展開してきました。犬島精錬所美術館を建築設計するにあたっての構想や経緯をお話しいただき、これからの建築の可能性を探ります。

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